令和5年
 第2回定例市会 9月議会
令和4年度神戸市各会計決算
決算特別委員会 [総括質疑] 要旨

[総括質疑] 要旨   山下 てんせい 議員(西区選出)



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 令和4年度神戸市各会計決算及び関連議案に関し、9月25日から10月4日までの決算特別委員会において 各局別の審査が行われ、その後10月10日に開催された決算特別委員会 総括質疑において、山下てんせい 議員(西区選出)は、市長及び副市長に対し総括質疑を行いました。

1.ウォーターフロントエリアの再開発について

 ウォーターフロントの再開発については、昨年、今後10年間を見据えたビジョンを策定し、本市のリーディングプロジェクトの一つとして取り組んでいる。今後、アリーナの開業など、さらなる賑わいがもたらされることを大いに期待している一方、本市と同様に再開発を行い、宿泊施設や商業施設が集積し、非常に活気があるように見える横浜市のみなとみらいでは、地元の方から、「横浜市は観光客を重視しすぎている」、「ロープウェイに普段乗ることがなく、みなとみらいエリアに行くことが少ない」といった声も聞く。本市におけるウォーターフロントエリアの再開発にあたっては、観光客だけでなく市民も訪れたくなるような、まちづくりの視点が重要であり、工夫が求められると考えるが、見解を伺いたい。
(議員再質疑1)
 インバウンドが復調する中、ポートターミナルにも続々と大型客船が来航し、賑やかさを取り戻しつつある。一方で、ポートターミナルからウォーターフロントエリアへの動線・回遊性はかねてから課題となっている。先日の局別審査では、「ポートターミナルからウォーターフロントエリアのアクセスについてはシャトルバスが有効と考えており、実際に元町まで運航している」と答弁があったが、再開発が進むウォーターフロントエリアに賑わいを生み出すためには、ポートターミナルに降り立った観光客が、空き時間を使い、ポートオアシスを通りポートミュージアムまで周遊できる歩行者動線を整備すべきと考える。周辺住民に愛され利用されるといった観点からも必要と考えるが、見解を伺いたい。
(議員再質疑2)
 新港突堤エリアでは、神戸アリーナの整備が予定されているほか、局別審査では、リゾートホテルの整備についても前向きな答弁をいただいた。一方で、観光客とともに周辺住民にとっても満足度が高い環境を提供するためには、キッチンカーなどが並ぶことができるイベントスペースもある程度整備していただきたいと考えるが、見解を伺いたい。

2.子育て支援サービスの向上について

(1)家事育児の負担軽減
希望するすべての女性が個性と能力を十分に発揮し活躍できる社会を実現するためには、家事育児の負担軽減が必須である。現在、本市では、1歳未満の子供を持つ家庭に対して、産後ホームヘルプサービスとしてヘルパーの派遣を行っている。局別審査において、1歳以降の子どもを持つ世帯を対象に、ヘルパー派遣サービスの利用料を所得制限なく助成してはどうか伺ったところ、「どのような施策が効果的か、他都市の状況も含め研究したい」との答弁だった。東京都の一部の地域では、すでに3歳未満を対象とした家事支援などが行われているが、全国的にはまだ例が少なく、本市においても他都市に先駆け、所得制限などの要件を設けることなく、助成を行うべきと考えるが、見解を伺いたい。
(2)生活定期便サービス
 現在、本市では、すべての世帯へ新生児訪問を行い、希望者には訪問型産後ケア事業も行っているが、訪問相談を行う保健師等が、おむつや離乳食など各家庭のニーズに応じた子育ての必需品を定期的に届けるなど、配達する方が親子を見守る生活定期便サービスを行ってはどうか。すでに他都市では導入されているところもあるが、ヘルパー派遣サービスの利用補助と合わせて一体で打ち出すことで、神戸モデルとして子育て施策の目玉になると期待するが、見解を伺いたい。
(議員再質疑)
 訪問相談のみで来られると応対が負担に感じる、という声も聞く。生活品を一緒に持ってきてもらえると、素直に受け入れやすくなると考えるが、いずれにせよ各家庭が抵抗感なく相談を受け入れられる工夫や場づくりが必要であると考えるが、見解を伺いたい。

3.路上喫煙防止対策について

 本市では、路上喫煙やポイ捨て防止の取り組みとして、路上喫煙禁止地区を指定するとともに、巡回指導や過料の徴収を行っているが、喫煙場所が減ったことにより、路上喫煙は増えているようにも感じるという声も聞く。三宮エリアに市が設置している喫煙所は東遊園地のみであり、巡回指導などの啓発だけでは限界がある。代表質疑に続き、局別審査においても、場所やデザインなど周囲から合意を得た上での三宮駅周辺の喫煙所設置について質疑したが、「民間事業者の協力を得ながら工夫し、知恵を絞る」との答弁であった。今後、都心再開発や神戸空港の国際化により、三宮エリアには、今後来街者が増えると期待しており、喫煙者も非喫煙者も満足して神戸を楽しんでいただける受入体制を整えるためにも、具体的に増設を進めるべきと考える。見解を伺いたい。
(議員再質疑)
 喫煙所の整備が必要な一方で、ルールを守らない方については厳格な対応が求められる。現在、本市では三宮・元町エリアを路上喫煙防止地区に設定し、違反者には過料徴収を行っているが、他都市ではポイ捨てに対しても過料徴収を定めているところもあり、本市も、ポイ捨てについても過料徴収を拡大し、環境整備と違反者に対する厳格な対応の両輪で対策を講ずべきと考えるが、見解を伺いたい。

4.国民健康保険証の不正利用対策について

 なりすまし等による国民健康保険証の不正利用が後を絶たず、全国的な問題となっている。国が進めるマイナンバーカードと保険証の一体化により、一定の対策になると期待できるが、本市としても不正利用を防止する対策を講じる必要があると考える。先日の局別審査では、「具体的に不正利用を疑う連絡が入れば必要な対応を取る」との答弁があったが、個々の病院での対応には限界があり、医療現場らも対応を望む声を聞く。コロナ感染症対応で医師会・医療機関と緊密な連携を行ってきた本市だからこそ、待ちの姿勢に甘んずることなく、医師会とも協議しながら根本的に不正利用を防止する対策を検討すべきでないか、見解を伺いたい。

5.上海事務所について

 本市は、中国において上海と天津の2か所に事務所を構えている。人材や財政のリソースが限られているなかで、一つの国に2か所の海外事務所を設置するよりも、むしろ国際金融都市であるシンガポールや、TJPOの連携を行っている台湾、もしくはドバイなど、世界の時流も捉えながら、広くアジア圏において市が拠点を置く場所を検討する必要があると考える。天津については日中国交回復後の友好都市締結の第一号であり、天津港の開港を手助けした歴史もある一方で、特に上海については、安全配慮義務の観点からも危険が多いと考えており、上海事務所は撤退も含めて今後のあり方を検討すべきと考えるが、見解を伺いたい。

6.クリーンステーションの管理について

 

 高齢化や地域のつながりの希薄化が進むなか、各自治会が行っているクリーンステーションの日々の管理が、地域への負担となっており、住民間のトラブルの元になるなど、課題が生じている。局別審査において、例えば、ゴミ回収の際にネットの片づけや簡単な清掃を行うなど、市が手助けできないか伺ったところ、「現在、クリーンステーションのあり方について議論中である」との答弁があったが、地域住民の負担を軽減した上で、清潔で安心できる住環境を整えるために、クリーンステーションの今後のあり方については早急に住民に示していく必要があると考える。見解を伺いたい。
(議員再質疑)
 人手不足が深刻化する一方で、就職を希望する高齢者が仕事を見つけられないという課題もある。クリーンステーションの清掃について、市が補助を行ったうえで、シルバー人材センターなど外部に委託できる仕組みを構築してはどうか。先の局別審査では、「財源の問題がある」との答弁があったが、補助対象を特に支援が必要な地域に限定するなど、厳格化することで、まず、実施することはできないか。

7.区役所業務のアウトソーシングについて

 先日の局別審査において、区役所業務の窓口委託に対する懸念や市職員と地域との直接的な関わりの重要性について質疑をしたところ、「スリムな職員体制と効率的な業務の見直し」という答弁に終始していた。本市は、他都市に先駆けた思い切った行財政改革を断行し、職員数についてもかなりの削減を行ってきたが、各区の地域協働課に求められる役割が増えるなか、完全なアウトソーシングは難しく、一定の職員数は維持しておくべきだと考える。住民福祉の維持とのバランスをどう考え、窓口業務のアウトソーシングを進めていくのか、想定されるリスクへの備えとあわせて、見解を伺いたい。
(議員再質疑)
 現在、地域コーディネーターは、会計年度任用職員を雇用しているが、本来、正規職員が地域に出向き、住民の話や思いを汲み取り、地域の課題発見や解決を行うべきでないか、見解を伺いたい。

8.宿泊税の導入について

 神戸空港の国際化が刻一刻と近づくなか、本市の観光振興施策のさらなる拡充は喫緊の課題であり、その財源確保策として、宿泊税の導入は非常に有力な手段である。すでに、東京都や大阪府など9自治体で導入されており、本市でも、年間数百万人の宿泊客に広く薄く負担していただくことで、さらなる観光誘客に向けた投資の財源とし、その投資を、観光客の増加、ひいては、神戸経済の活性化につなげるといった、好循環を生み出すべきである。先日の局別審査では、「宿泊事業者を含めた関係者との意見交換や、すでに導入している自治体へのヒアリングなど、研究を進めている」との答弁があったが、わが会派では、宿泊税の提案を、平成19年から行ってきたところである。よりスピード感を持って、そろそろ次の段階に進むべきと考えるが、見解を伺いたい。

9.給食用コメを生産する農家への支援について

 現在、学校給食の食材調達は学校給食会が担い、給食米はJA兵庫六甲と連携し、市内産で賄っている。年間約900トン消費していると聞くが、中学生の全員喫食が始まれば、約1,200トン必要と推計され、関係部署が農協などと十分に連携し、栽培から計画的に対応する必要がある。先日の局別審査では、教育委員会から「安定的・優先的に市内産米を使用できるよう調整していきたい」との答弁があったが、経済観光局としても農協等と調整を行ったうえで、確実に給食米を神戸市内産で賄うべきと考えるがどうか。また、現在、給食費については物価高騰による負担軽減のため公費補助が行われているが、農家側も物価高騰の打撃を受けている。現在、肥料等への支援がなされているが、さらなる支援が必要と考えるが、あわせて見解を伺いたい。

10.玉津大久保線の整備推進について

 西区におけるミッシングリンクの解消のための取組みとして、現在、神戸西バイパスや国道175号等の整備が進められているが、特に西部地域において東西の幹線道路が不足しており、旧神明道路や国道175号等の渋滞解消が依然として課題である。明石市側では、江井ヶ島松蔭新田線について令和8年度中の完成を目指して取り組まれているが、本市側の玉津大久保線を整備しないと十分な効果が発揮されない。本市においても一体的にネットワークを形成する玉津大久保線の早期事業着手を図るべきと考えるが、見解を伺いたい。
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