自由民主党神戸市会議員団
令和5年
 第2回定例市会 9月議会
令和4年度神戸市各会計決算
[代表質疑]要旨
 令和5年9月議会が、9月14日から10月24日までの41日間の日程で開かれ、令和4年度神戸市各会計決算が審議されました。
 9月21日の本会議において、平井 真千子 議員(長田区選出)、山口 由美 議員(西区選出)及び、大野 陽平 議員(東灘区)は、自由民主党神戸市会議員団を代表して、市長及び副市長に代表質問を行いました。

[代表質疑]要旨 平井 真千子 議員(長田区選出)

[ 録画映像を見る ]

映像スタート
[ 発言の詳細 ]

(神戸市会議録検索)

1.令和4年度決算について

 令和4年度決算については、24年連続の黒字となり、過去最高の税収を確保したことを評価している。財政健全化指標についても、政令市上位を維持しており、増加した税収を市民に還元することが求められる一方で、足元では、燃料価格・資材価格の高騰が続いており、本市の投資にも影響が及んでいるのではないかと危惧している。市内経済を停滞させず、公共投資から市税増収の好循環を生み出すためにも、市内事業者への優先発注を基本としながら、今後も積極的な投資を継続していくべきと考えるが、11月に市長の3期目の任期の折り返しを迎えるにあたり、今回の決算に対する評価と今後の投資の考え方について見解を伺いたい。

2.新都市整備事業会計について

 新都市整備事業会計については、これまで事業に要した企業債の償還の見通しが立ったことなどから、令和6年度末の新都市整備事業会計の再編に向けて、会計のあり方について検討していくと聞く。内陸部の産業団地においては、旺盛な需要を背景に産業用地の処分が進み、ストックが少なくなっている一方で、臨海部のポートアイランド第2期や神戸空港島においては、神戸空港の国際化を見据えて、活用が期待できる未処分地が残っている状況である。このような中、今後、どのような観点で会計のあり方を検討していくのか、伺いたい。

3.国際チャーター便誘致に向けた取り組みについて

 神戸空港については、昨年9月の3空港懇談会において、2025年の国際チャーター便、2030年前後の国際定期便の就航が可能となる方針が示され、我々の悲願であった神戸空港の国際化が実現した。神戸空港の国際化・機能強化により、国内外の来訪者を取り込むことで、観光・ビジネス分野をはじめ、神戸経済活性化に大いに期待するところである。2025年まで残り1年半という限られた時間の中で、国際チャーター便誘致に向け、関係各局が課題や目指すべき方向性を共有し、全庁一丸となって強力に推進していく必要があると考えるが

4.王子公園再整備について

 王子公園再整備については、昨年末に策定された再整備基本方針及び動物園リニューアル基本構想に基づき、基本計画の検討や大学誘致が進められている。先日、公表された再整備基本計画の素案の作成にあたっては、市民ヒアリング等を開催し、丁寧に市民の意見を聞いてきたことについて評価している。素案では、新たな原田の森の創造など、5つの基本目標ごとに、各施設の具体的なイメージ等が示され、スケジュールや概算事業費も明らかになった。スタジアムや駐車場などの建物については、景観に配慮するとともに、スタジアムの防音対策にも取り組むとのことだが、具体的にどう考えているのか。また、よりスピード感をもって事業を進めるべきと考えるが、基本計画をもとに、今後、どう事業を進めていくのか、あわせて伺いたい。
、どのような組織体制で取り組んでいるのか、現状を伺いたい。

5.小売市場の活性化について

 時代の変化とともに、スーパーマーケットやコンビニの進出、インターネットの普及などにより、小売市場の衰退が全国的な課題になっている。市内には、30数か所の小売市場があるが、いずれも店舗数は減少しており、数店舗程度しか残っていない市場も多い。震災後、苦しい中で、何とか経営を続けてきた店舗についても、災害復興で県から受けた高度化資金助成の返済が大きな負担となり、あまり報道されていないが、返済資金を得るために廃業するケースもあると聞く。本市では、コロナ禍で商店街や小売市場が苦境に立たされる中、様々な施策を講じてきたことは評価しているが、本質的に課題を解決し、活性化をはかるためには、実態を正確に把握し、県とも連携しながら支援していくべきでないか、見解を伺いたい。

6.猫との共生について

 本市では、市会からの提案により、人と猫との共生に関する条例を制定し、地域猫活動をはじめ野良猫対策に取り組んできた結果、猫の殺処分率は徐々に減ってきているが、無責任な餌やりなどによるトラブルは続いており、効果的な指導が課題である。本来、猫の正しい飼い方は、飼い主の責任のもと、室内で飼うことであり、地域で飼うとしても、各団体がきちんと管理したうえで、適正な量の餌をあげるべきである。善意の餌やりであっても、地域でトラブルになれば、結果的に殺処分につながる場合もある。動物愛護の観点も踏まえつつ、無責任な餌やりを止めるよう、例えば地域の掲示板を活用して、正しい飼い方について、一層の啓発を行うべきと考えるが、見解を伺いたい。

7.多様な共同生活の困難解消を支援する制度について

 これまで、本会議や委員会等での議論を通じて、いわゆるパートナーシップ制度の導入の検討を進めることを表明されてきた。本市は後発となることから、従来の他都市制度の課題を踏まえた制度とするべきである。対象者を性的マイノリティの方に限定すると、望まないアウティングにつながる懸念がある。家族のあり方も多様化する中で、婚姻関係に無くとも生涯支え合って共同生活を営みたいと考える方を支援する制度としてはどうか。また、それを踏まえた制度の名称も工夫すべきと考えるが、あわせて見解を伺いたい。

8.環境施策における広域連携について

 わが会派としては、神戸市が近隣自治体に対してリーダーシップを発揮し、政令市としての役割を果たしていくことが重要と考えている。そのような中、先月の芦屋市議会において髙島芦屋市長が「近日中に神戸市に環境施策の連携に向けた協議をお願いする」と表明されたが、芦屋市議会自由民主党会派(あしや政風会)からは、ごみ処理の広域化について推進を、という声があがっている。これを受け、芦屋市との連携について市長の見解を伺いたい。

[代表質疑]要旨 山口 由美 議員(西区選出)

[ 録画映像を見る ]

映像スタート
[ 発言の詳細 ]

(神戸市会議録検索)

1.要支援家庭への対策について

 6月の西区の児童死亡事案は、特異性はあるが、児童は要支援家庭で育っており、より深く福祉的な課題に向き合う仕組みがあればと悔やまれる。国の「こども未来戦略方針」では、経済的支援や社会構造改革のみならず、貧困家庭や障害児を抱える家庭などにきめ細かい対応を行うとあり、具体的に多様な支援ニーズへの対策も挙げられている。「ライフステージに応じた切れ目のない支援」に取り組む本市は、区役所や児童相談所を持ち、子育て世帯の声を直接聞き、状況を把握できる基礎自治体である。現場を持つ強みを活かし、要支援家庭、特に障害などによりうまく意見を発信できない人達には、より踏み込んだ対応が求められる。これまで以上に「こども・子育て世帯を誰一人取り残さない」という姿勢で、要支援家庭の課題の把握やアウトリーチの支援を充実すべきと考えるが、見解を伺いたい。

2.障害者地域生活拠点のあり方について

 本市は、全国に先駆けて、平成30年度に西区に障害者地域生活支援拠点を整備した。令和2年度には全区設置を完了し、現在は親亡き後対策等としても、障害者や家族の拠り所となっている。特に、拠点の重要な機能である緊急受入対応については、拠点により、国の報酬単価の人員配置基準を超えて重複障害などの困難事例に対応しているところもあり、福祉先進都市として誇るべき施策である。現在、社会福祉協議会や市内社会福祉法人に運営を委託しているが、西区の拠点整備から5年が経過した今、これまでの実績を踏まえた拠点のあり方を真剣に考える時期にきている。本市として拠点事業に何をどこまで求めるかという一定の考えを持ちつつ、委託法人の意見も聞きながら、持続可能な拠点のあり方を検討すべきと考えるが、見解を伺いたい。

3.世界パラ陸上のレガシーについて

 今世界パラ陸上競技選手権大会まで250日を切った。相当な財源を投入して開催する大会だからこそ、大会の成功はもちろん、神戸のまちや神戸市民に大きなレガシーを残していかないといけない。先週始まった「国連SDGsアクションキャンペーン」では、柱の1つにインクルージョンが含まれている。世界パラの開催意義とも合致することから、組織委員会としても参加する予定と聞き、国際的な神戸のプレゼンスの向上につながることを期待している。一方、2年前の東京パラリンピックでは無観客を余儀なくされ、残せなかったレガシーがある。それは、子ども達が生でパラアスリートの活躍を見て、障害があってもなくても挑戦する力を育んでいくこと、「エンパワーメント」であり、それをまさに、今大会のレガシーにしてはどうか、見解を伺いたい。
(議員再質疑1)
 世界パラ陸上のレガシーとして、障害のある子がアスリート雇用を目指す環境を整えたい。支援学校卒業後、就職を目指す子も多いと聞く一方、身体障害・知的障害を問わず、就職は難しいと言われた子が、パラスポーツに出会い、活躍し、一部上場企業にアスリートとして雇用される事例もある。企業側も、インクルージョンを重視する時代となり、今後、パラアスリートを積極的に雇用する企業の増加も見込まれる。教育委員会が、福祉局とも連携しながら、企業就職や就労継続支援B型事業所を目指す、という固定概念を置き、世界パラ陸上を契機に、運動が好きな子には「アスリートを目指す」との選択肢を用意することが、芸術など他の分野にも派生する可能性も含め、障害のある子への柔軟な幅広い進路選択につながると考えるが、どうか。
(議員再質疑2)
 大会開催を契機に、全国に先駆け、パラスポーツと一般のスポーツ振興との一体化をレガシーとしてはどうか。つまり、スポーツ振興の所管部署で、パラスポーツ振興も取り扱う体制を提案する。国の第3期スポーツ基本計画で、自治体等が取り組む施策として、一般のスポーツ推進体制との連携による障害者スポーツ推進体制の整備等が上げられる中、本市のパラスポーツは、社会福祉協議会の中にある障害者スポーツ振興センターが中心的な役割を担っており、一般のスポーツ推進体制との連携が課題である。現在は、一般のスポーツ団体が自主的にパラスポーツの体験事業などを行い、パラスポーツ側は指導者の育成等にも課題を抱えている。両者が連携すれば、互いにメリットがあり、共生社会を目指す上で大きな力となるが、見解を伺いたい。

4.災害時の医療体制について

 新型コロナ対応が一定の落ち着きを見せる一方、異常気象などによる災害発生の不安で、改めて災害への意識が高まっている。特に医療分野では、コロナ対応からの教訓も多く、国も3月に医療計画を改訂した。南海トラフ地震のような広域災害で、災害派遣医療チーム(DMAT)が動けない場合を想定し、本市医師会では、DMATの到着までの間、医師会の災害医療チームによる対応の可能性も議論している。災害医療活動は民間医療関係者との連携が必須だが、市内の災害拠点病院は4病院全て臨海部にあり、津波などの影響を受けうる。また、県の指針に基づき市が指定する災害対応病院は6病院に留まる。民間医療関係者と連携した実効性の高い医療活動を行うため、拠点病院と対応病院の役割を整理し、災害対応病院を各区1か所は指定するなど、体制強化を進めるべきと考える。見解を伺いたい。

[代表質疑]要旨 大野 陽平 議員(東灘区選出)

[ 録画映像を見る ]

映像スタート
[ 発言の詳細 ]

(神戸市会議録検索)

1人口減少対策について

 人口減少が全国で進むなか、先日公表された本市の9月の推計人口は150万693人と、このままのペースで行くと、いよいよ来月には150万人を下回る見込みである。全国的な自然減のトレンドによる部分が大きいものの、人口減少は、移住定住施策や子育て支援策、雇用対策など、総合的な施策展開によって取り組む課題であり、また、各局が政策立案するなかで、前提条件として念頭に置くべきテーマである。今年6月にも2025ビジョンが改訂され、「人口減少を抑制する観点」及び「人口減少に適応する観点」の両輪から取り組みを進める、とされている。これまで行ってきた各施策の人口減少対策としての効果をどのように捉え、今回のビジョン改訂に至ったのか、見解を伺いたい。

2.職員一人ひとりが本市の魅力を訴求する取り組みについて

 本市では、切れ目のない子育て支援として様々な施策を実施しており、一定評価しているが、市外へのPRなど、広報面ではまだ改善の余地があると感じる。子育てに関する情報はネット上に溢れており、知りたい情報を得るためには、信頼できる人からの口コミに頼る部分が大きいと聞く。そのため、現在の職務内容を問わず、市役所の職員一人ひとりが、アンテナを高く張り、本市の子育て支援の魅力をきちんと理解した上で、神戸市の子育て支援はここが素晴らしい、近隣市と比較してこういう魅力がある、と自信を持って答えられることが大切ではないか。各職員が言わば広報官として、あらゆる場面で地道に、本市で子育てするメリットを伝えられる仕組みを検討してはどうかと考えるが、見解を伺いたい。

3.都市型創造産業の振興と市内発注強化について

 本市では、デザインや情報サービスなど、既存産業の高付加価値化やイノベーションを誘発する都市型創造産業の振興に力を入れている。これまで、ビジネス交流拠点「ROKKONOMAD」の開設や、イノベーションに取り組む中小企業やクリエイティブ人材の各種支援プログラムを展開している。市内にオフィスやクリエイターの集積が進み、これまで市外に委託せざるを得なかった地元企業からの受注による域内経済循環や、若者から人気が高い職種として、若年層の市内定着への寄与につながるものと期待しているが、これまでの効果と課題、今後の方向性について、見解を伺いたい。

4.神戸空港について

 神戸空港では、2025年の国際チャーター便や発着枠が拡大する国内線の受け入れに向け、新ターミナルや基本施設の整備が進められている。一方、2030年前後の国際定期便の就航や、その先の航空需要の拡大を踏まえた今後の空港島のまちづくりを見据えると、新ターミナルの整備にあわせて、空港利用者の利便性を高め、回遊を促進する取り組みが必要と考える。本年度、空港島では現ターミナルと海上アクセスを結ぶ歩行者デッキの基本検討が行われるが、島内の利便性や回遊性をさらに高めるため、これらの施設と新ターミナルを結ぶ歩行者デッキについても、あわせて検討を行うべきではないか。見解を伺いたい。

5.路上喫煙防止の取り組みについて

 本市は、条例で三ノ宮駅周辺などを「路上喫煙禁止地区」とし、過料処分の対象にしている。景観を保ち、喫煙による火傷等を防ぐために、取り締まりは必要である一方、今後は、都心再開発や空港国際化による来神者の増加にあわせ、非喫煙者への配慮もより求められる。また、喫煙者に関しても、現在、過料を徴収された人の約半数が市外の人であるが、神戸を訪れて、過料を取られることで、マイナスのイメージが残る懸念もある。今後、2号館ビルやJRビルなど、大型施設の完成が控える中、民間とも連携しながらエリア内に喫煙所を設置することで、路上喫煙の減少をはかるべきではないか。本市として、今後の再開発が路上喫煙に及ぼす影響をどのように捉え、どのような方向性で対策を講じようとしているのか。行政と民間の役割分担とあわせて、見解を伺いたい。

市会情報一覧に戻る