令和 元年
 第1回定例市会 6月議会
[一般質問]要旨
 令和元年 第1回定例市会 6月議会の7月2日に、 安井俊彦 議員(北区選出)、平野達司 議員(兵庫区選出)、岡村正之 議員(中央区選出)及び、大野陽平 議員(東灘区選出)は、市長及び副市長に一般質問を行いました。

[一般質問]要旨 安井俊彦 議員(東灘区選出)

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(神戸市会議録検索)

1.議会との関係について

 議会と市長は緊張関係を持ちながら信頼関係を構築し,両輪となって市民の福祉向上に全力で貢献すべきと考える。長い歴史と伝統の中で,市民生活に関する大切な政策や事柄,方針の変更については,議会に事前相談や通知することで激変緩和を続けてきた。最近の当局は,議会や常任委員会等での不誠実な答弁,隠蔽答弁が散見され議会人を排除しようとする空気が感じられるのはなぜか。また,重要な事柄や政策,方針の変更については特に,議会への事前相談や通知をすべきと考えるが,市長はこれについてどう感じているのか,伺いたい。

2.市長の政策の方向性について

 長く続いた助役から市長へ,副市長から市長への構図における悪い面の最たるものは,長年にわたる馴れ合いの風土が組合活動の肥大化につながり,市長選挙にまで影響を持つことにより,政策へも影響を与え出したことである。市役所出身でない久元市長は,断腸の思いで市役所改革に乗り出しているが,まだそのことを理屈では分かっていても,真に分からず,改革に加わらない職員もいる。今が,神戸市政にとって大きな分岐点であり我が会派も応援している。この機を逃しては決してならないと考えるが,市長はどのように改革を進めていくのか,その方針を伺いたい。

3.神戸空港を三位一体空港へするための準備について

 関西3空港懇談会において,神戸空港の規制緩和を進めることで合意し,2021年までに運用時間と便数を拡大, 2025年までに国際化について検討することとされた。設置管理者としての本市も,アクセス改善・利便性向上について,神戸空港・関西全体の空港需要増に向け,どのように取り組んでいくか,明確に示すべき時期が来ている。例えば,税関を含めたCIQの体制をどのように充実するのか,増加する乗客の輸送手段について,どのような対策を検討するのか伺いたい。

4.関西広域連合議会について

 平成22年12月に関西広域連合が結成され,24年8月には本市も加入したが,今般,大阪は都構想を実現しようとしており,大阪都構想が実現すれば大阪市,近い将来には堺市が消滅することになる。関西広域連合の有り様が大きく変容すると思われるが,関西広域連合との関係については脱会も含め,改めて再検討すべきではないか,見解を伺いたい。また,今後,大阪市,堺市が消滅すれば,神戸市と京都市という2つの政令市の役割が大きくなると考える。そこで,神戸市と京都市が中心となり,東京一極主義に対応するため,リーダーシップを取るべきと考えるがどうか。

5.六甲アイランドの将来について

(1)将来像策定に向けたアンケート調査について
 六甲アイランドが誕生してはや30年になる。私は先の代表質疑で30年目の検証を提案し,市長同意の基,「六甲アイランドまちの将来像検討会」が発足された。議論の末,将来像策定に向けたアンケート調査が実施され,多くの回答を得た。六甲アイランドは大変住み心地がよく,これからも住み続けたいと答えた方が70%を超えたが,このことについてどのように思われるか,伺いたい。また,アンケートの自由意見は1位が賑わいで,アウトレットの誘致や様々なイベント等を望む声が多く,2位が生活利便性で,スーパーやドラッグストア等を求める意見,3位が住環境で,歩道・舗装の段差等の補修を求める意見であった。これら意見について,今後どのように対応するのか,伺いたい。
(2)神戸港将来構想について
 六甲アイランド南の海上に,フェニックスが姿を現してきた。神戸港将来構想では,ロジスティックスターミナル整備が掲げられているが,六甲アイランドとのアクセスについて,六甲ライナーの延伸も検討するのか,港湾施設だけで検討するのか。具体的な計画案はいつ頃までに出されるのか,伺いたい。

[一般質問]要旨 平野達司 議員(兵庫区選出)

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1.先端技術の活用について

(1)医療産業都市の発展による人口減少対策について
 本市の人口は,本年5月1日現在の推計人口で,川崎市に抜かれ政令市7番目となった。今まで神戸を支えた重厚長大の大企業が縮小や撤退し,厳しい雇用の状況となっていることが,人口減少の一因になっていると考える。今後の人口減少を食い止めるためには,医療産業都市において,更なる企業誘致,誘致した企業の規模拡大により雇用を生み出し,神戸に住んでもらう必要があるのではないか,見解を伺いたい。
(2)自動運転の更なる推進について
 自動運転は,高齢等により免許返納し,マイカーを手放した市民の移動手段確保や,路線バス等の運転手の担い手不足の解決策として有効な技術である。特に市民の足として必要な路線バスは,将来的に高齢化等により運転手の確保が困難になり,路線の維持拡大,便数増加が厳しくなると想定される。その想定を見越した抜本的な解決策としては,自動運転や,オンデマンド交通を導入する必要があると考えるが,昨年12月には北区で自動運転の実証実験を実施していることから,更なる実証実験を進め,法整備後早期に実現していくべきではないか,見解を伺いたい。
(3)ICT推進による市場・商店街活性化について
 キャッシュレス社会において市場・商店街を活性化するためには,事業者がキャッシュレス決済に対応することで,これまで市場・商店街を利用しなかった若者世代などに対する利用促進が重要と考える。本市では昨年度創設されたインバウンドに特化したキャッシュレス対応機器の導入補助を,今年度は国内向けも含めたキャッシュレス決済の導入補助についても対象にすると聞いているが,拡充した制度が市場・商店街の活性化にどの程度寄与したか,今後,効果検証すべきではないか,見解を伺いたい。
(議員再質問1)
 昨今,期間限定で手数料を無料にしているQRコード決済事業者がいることもあり,QRコード決済を導入している店舗が増えてきているが,手数料の無料期間終了後は,決済額の3.24%の手数料を課する事業者もいると聞いている。店舗の大きな重荷になることから,激変緩和策として,一定期間のランニング費用助成を検討すべきではないか,見解を伺いたい。
(議員再質問2)
 キャッシュレス決済を導入した店舗は,キャッシュレス決済事業者により,スマートフォンのアプリケーションや,SNSなどで取り扱い店舗として表示されるため,効果的な広報につながる利点がある。スマートフォンのアプリケーションやSNSは,広く発信するには効果的なツールであるため,歴史遺産等の観光名所やイベント,だんじりや神輿といった地域の祭りを案内する際に,市場・商店街等の周辺情報を面的に発信することで,市内外の若者世代や海外からの観光客の呼び込みにつながると考えるがどうか。

2.働き方改革について

 平成29年6月に神戸市働き方改革推進チームを結成後,平成30年6月に今後3か年の目指すべき姿としてロードマップを策定し,在宅勤務やフレックスタイム等の普及,WEB会議の活用など様々な取り組みを実施しており,更なる改革を推進していただきたい。申請書類のデータ化などを進めていることは評価しているが,まだまだ市役所は紙社会であると感じる。前職の経験からペーパレス化の取り組みを行うためには,該当する職員にタブレットを配布するなど必要な環境整備を行ったうえで,抜本的な改革を行うべきと考えるが,現在の取り組みを踏まえ,見解を伺いたい

3.高齢者免許の取扱いについて

 本市は認知症対策の積極的な取り組みをしているが,認知症の方も含めた高齢者の運転事故が多いことが全国的な課題となっている。運転免許の返納を呼びかけるうえでは,現在,マイナンバーカード普及の取り組みに併せて,運転免許返納キャンペーンを7月1日受付開始,8月31日までの期間で展開しているが,免許を返納した市民の交通アクセスを確保するため,タクシーの利用補助などの代替交通手段の更なる拡大を検討すべきではないか,見解を伺いたい。

4.UDタクシーの導入支援について

 今年3月の本会議においても,当会派からUDタクシーの導入支援について質問させて頂いたが,状況を注視したいとの回答であった。今年度に入り国では「移動等円滑化の促進に関する基本方針」を改正し,UDタクシーを含む福祉タクシーの整備目標値を従来の2万8千台から4万4千台に引き上げた。2020年の東京オリンピックパラリンピックに向けては,市内でオーストラリアなどが事前合宿を予定しており,今年4月には,2021年世界パラ陸上競技選手権大会の神戸開催が内定するなど,障害を抱えられている人や観光客の移動手段に関して対策強化が必要となっている。そうした情勢を鑑みれば,他都市のように補助制度を設けるなど,UDタクシーの導入支援について迅速に検討すべきではないか,見解を伺いたい。

[一般質問]要旨 岡村正之 議員(中央区選出)

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1.待機児童解消について

 待機児童の解消は,本市において最も重要な施策である。本年4月1日現在の本市の待機児童は,市内各区で最も多い中央区で42人,全市で217人となっており,昨年4月1日時点の全市の待機児童332人から改善されたことは評価するが,ゼロに向けては更なる対策が必要な状況である。6月補正でも民有不動産の活用促進や保育人材確保,利用者支援の充実を進めているが,来年4月の待機児童ゼロに向けてどのように取り組むのか,見解を伺いたい。
(議員再質問1)
 保育人材確保は,喫緊の課題であると考える。これまでも一時金の支給や家賃補助等,保育人材の確保のためにあらゆる施策を講じているが,都市間競争に打ち勝つためにも,本市ならではの人材確保策を新たに検討すべきではないか,見解を伺いたい。
(議員再質問2)
 保育人材を確保すると同時に,保育の質を下げない取り組みも重要と考えるが,そのうえでは,保育士に対しての,行政による更なる研修体制の充実をはかるべきではないか,見解を伺いたい。

2.病児保育事業について

 病児保育事業は,やむを得ない事情により,子どもが病気の際に自宅保育することが困難な方にとって,欠かせない制度である。待機児童解消に向け,積極的に保育所整備などの施策を展開しているが,保育所の受け入れ児童数が増えれば,その分病児保育のニーズも高まり,現行の市内16箇所で足りなくなるのは明らかである。待機児童が多い中央区などでは,子どもを預けたいが,近隣施設では対応できない事例もあるため,施設数を増やすべきではないか,見解を伺いたい。
(議員再質問)
 病児保育の利便性を高めるため,土日預かりの拡充,保育所等において体調不良となった児童を,タクシー等で送迎し,保護者が来るまで病児保育室で保育する送迎サービスの導入などを検討してはどうか,見解を伺いたい。

3.教育現場におけるICT整備について

 教員のパソコン画面を映し出し,文字などを書き込むこともできる電子黒板については,今年度から3ヵ年で全ての小・中・高校と特別支援学校などの普通教室に導入される方針と聞いている。電子黒板は,有効に活用することで授業内容の充実や教員の多忙化対策にもつながると期待するが,機器を活用できない教員がいれば,クラス間や学校間の教育格差につながる恐れもある。教育格差を生じさせない対応策が必要と考えるが,見解を伺いたい。
(議員再質問)
 令和2年度に小学校でプログラミング教育が必修化される予定となっており,市内でも民間のプログラミング教室が開校されている。教育体制の整備については,教員への研修など,今年度から対策が必要と考えるが,どのように取り組みを進めていくのか,伺いたい。

4.通学路の安全対策について

 本年5月には大津市や川崎市で立て続けに,児童を巻き込んだ凄惨な事件が起きた。本市でも同様の事案が起きないように,学校・地域・関係機関の連携により,児童生徒の安全対策を進めていくべきと考えるが,今後の対策方針について伺いたい。
(議員再質問)
 通学路での事故を防ぐためには例えば,事故発生件数が多い危険性の高い交差点に,鋼鉄製の昇降式車両止めやガードレールを設置するなど,ハード面の対策も強化すべきと考えるがどうか。

[一般質問]要旨 大野陽平 議員(東灘区選出)

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1.都心の再整備について

(1)企業誘致施策について
 平成27年9月に神戸の都心の未来の姿[将来ビジョン]や三宮周辺地区の『再整備基本構想』が策定され,震災以降,取り組むことが出来なかった都心の再整備が進んでいくことに期待をしている。一方,都心の再整備による開発の一環としてオフィスビルが建設され,現在1.7%である三宮都心部の空室率が上昇することが見込まれるため,今後,企業誘致を行う必要があるが,大阪ではうめきた2期の整備が予定されるなど,都市間競争が予想される。神戸を選んでいただくためには更なる企業誘致策の取り組み強化が必要と考えるが,見解を伺いたい。
(議員再質問)
 企業誘致施策として企業拠点移転補助等の財政面の支援を充実させることも必要であると考えるが,例えばポートアイランドの医療産業都市のように,三宮の都心地区を他都市と区別化するコンセプトを打ち出し,企業が移転したいと思われるような魅力あるまちづくりをしてはどうか,見解を伺いたい。
(2)都心の再整備にかかる県市連携について
 本年6月,兵庫県は県庁舎等再整備基本構想を策定しており,元町エリアの活性化に繋がる取り組みとして期待している。構想では,交流・共生の拠点づくりとして「芸術文化系機能」の充実,世界的ブランドのホテル,外資系企業オフィス,IT等の先端産業の開発拠点等の「にぎわい交流機能」を付加するとのことである。一方,神戸市においても三宮周辺地区の『再整備基本構想』を基に取り組みを進めている中,神戸の玄関口である三宮周辺の再整備と元町周辺の県庁舎等再整備については,県市が連携して一体的な発展を目指すべきと考えるが,見解を伺いたい。
(議員再質問1)
 三宮クロススクエアは,2030年頃に現行の10車線から段階的に3車線になる計画となっており,通過交通は国道2号や山手幹線を通ることになる。山手幹線を西に行けば,兵庫県の再整備基本構想のエリアと繋がっており,元町周辺の再整備が進めば山手幹線の交通量が増加することが予想される。兵庫県の再整備計画も含めた県市連携した対応が必要と考えるが,見解を伺いたい。
(議員再質問2)
 7月より,「三宮クロススクエア」の整備に向けて大規模な交通社会実験を実施し,周辺の主要交差点において交通量調査などを行っているが,県庁舎等再整備基本構想エリアへの影響も丁寧に検証すべきではないか,見解を伺いたい。

2.災害対策について

 (1)河川の浸水対策について
 昨年の台風による高潮浸水では,東灘区の阪神深江駅周辺での河川の氾濫による被害をはじめ,多くの住民が床上浸水の被害を受けているが,河川が一度氾濫すると被害が広範囲になることから,早急な対策が必要であると感じている。今後の対応策として,県が管理する河川部分と市が管理する橋梁部分で,県市が連携した対応が必要と考えるが,浸水の危険性の高い橋では,鉄扉を設置して橋を封鎖し,道路を通行止めにするなど,抜本的な対策も含めて検討すべきではないか。東灘区の高橋川など,全市の河川の浸水対策について,見解を伺いたい。
(2)臨海部の浸水対策について
 昨年の台風により,六甲アイランドでは記録的な高潮位となり,海水が岸壁等を超え,流入した海水は都市機能用地まで到達し,甚大な被害を与えた。六甲アイランドを含めた臨海部の浸水被害の防止・軽減については,今年の台風時期までに可能な短期的対策,2,3年先を見据えた中長期的な対策の両方が必要と考えるが,現在の取り組み状況や今後の対応方針を伺いたい。
(議員再質問)
 鉄扉閉鎖は臨海部の浸水対策として重要な役割を担っており,確実に開閉を行う体制を整える必要がある。時間的余裕がある場合は消防団との連携による体制を構築しているが,緊急を要する場合は地域の理解と協力がこれまで以上に必要になると感じる。現在の取り組みと昨年の災害の検証を踏まえ今後どのように取り組むか,見解を伺いたい。

3.インバウンド観光客誘致について

 (1)コウベ・インターナショナル・クラブの活用について
 世界各地の神戸を愛する方々に,神戸を応援して頂く組織「コウベ・インターナショナル・クラブ」は,平成28年2月に設立されて以来,世界各地に拠点を順次増やし,本年3月のロンドン支部設立により,現在世界で20支部となっている。昨年6月には北米のインターナショナル・クラブ5か所で食都神戸のプロモーションを行うなど,神戸の観光情報の発信に協力頂いており,今年度は,支部によるプロポーザルに基づくプロモーション事業を行うと聞いている。これらプロモーション事業やインターナショナル・クラブの取り組みを,今後のインバウンド観光客誘致の施策に積極的に生かすべきと考えるがどうか。
(2)アニメやマンガのロケ地誘致について
 神戸フィルムオフィスは2000年9月に設立されて以降,多くの映画やテレビドラマのロケ地を誘致しており,ロケ地が魅力ある観光資源になっていることは評価しているが,海外の観光客を集める観点から言えば,アニメやマンガのロケ地としての誘致を強化すべきではないか。例えば,鎌倉にある江ノ電の海沿いの踏切は,バスケットボールをテーマにしたマンガ「スラムダンク」で有名となっており,本市でも2015年には,攻殻機動隊と連携した観光PRを実施したが,近年は同様の事業が進んでいないことから,取り組みを強化すべきではないか,見解を伺いたい。
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