平成29年
 第2回定例市会 9月議会
平成28年度神戸市各会計決算
[代表質問]要旨
平成29年9月議会が、8月30日から10月6日までの42日間の日程で開かれ、平成28年度神戸市各会計決算が審議されました。 自由民主党神戸市会議員団を代表して、坊 やすなが議員(北区選出)及び植中雅子議員(北区選出)は9月5日の本会議において、市長および副市長に質疑を行ないました。

[代表質問]要旨 坊 やすなが議員(北区選出)

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1.平成28年度決算の評価と今後の市政運営について

 平成28年度決算は6年連続で財源対策によらず実質収支の黒字を確保するとともに,財政の健全性を示す将来負担比率や実質公債費比率も政令市の中で上位程度を確保するなど,財政対応力がさらに高まっていると評価したい。
 一方,少子・超高齢社会の進展に伴い,社会保障関係費が今後も増大していくことなどが予想される中においては,事務事業の見直しなど行財政改革を今後も進めていくことが必要であるとともに,真に選ばれるまちとなるための好循環を生み出していく施策展開が一層重要性を増していくと考えるが,平成28年度決算から見えてくる久元市政の評価・課題と,これからの神戸市政のあるべき姿をどのように考えているのか,市長の見解を伺いたい。

2.新産業の育成について

(1)企業誘致について
 IT関連産業の集積と振興については,500スタートアップスと連携した起業家育成支援プログラムを展開するなど,一定の取り組みが進んでいることについて評価している。一方で,起業家の育成支援が重要であるのはもちろんではあるが,今後さらに神戸経済の持続的な成長を進めていくためには,企業や起業家,大学・研究機関等による協業などの相互作用の中でイノベーションのエコシステムを構築していくことが必要であると考える。そのためのステップとしては,ベンチャー企業の誘致や市内の大学等と連携した起業家の育成に積極的に取り組む必要があると考えるが,見解を伺いたい。
(2) 海洋産業クラスターの形成について
 今年2月には海洋産業の先進都市であるスコットランドのアバディーン市長の来神があり,また,同月の会派からの質疑には「海洋産業クラスターの形成に向けた検討が官民を挙げて始まっており,目に見える成果をできるだけ早期に発現したい」との答弁があった。また,この6月には「海洋ビジネスセミナー」が開催され,さらに現在は市内中小企業と現地企業のビジネスマッチング等を行う「ビジネスコーディネーター」の配置に向けた事業者の選定にも取り組んでいるところである。
 このように,海洋産業クラスターの形成に向けた取り組みが加速度的に進められているにもかかわらず,これを推進する当局の体制は昨年とまったく変わっていない。スピード感を持って事業を遂行するためには,海洋産業に関係する局横断的な庁内組織を立ち上げるとともに,市内の大学や研究機関,民間企業等とも連携した産官学連携による推進体制を構築し,オール神戸市として海洋産業クラスターの形成を強力に推し進めるべきと考えるが,市長の見解を伺いたい。
(3)農業の活性化について
 フルーツフラワーパークでは,新しい神戸の都市型農業を創造する拠点として農作業のデータ化や温度・湿度の制御などの最先端のICT技術を活用した生産実証事業が実施されており,新たな農産物の生産技術の確立や新品種の試験栽培等が進められている。また,農業分野での新たな産業の創出を促進するため6次産業化の取り組みも実施しているが,更なる神戸の農業の活性化のためには,ベンチャー企業のIT技術や市内企業の開発力を有効に活用するなど,更なる取り組みが必要であると考えるがどうか。

3.観光振興について

(1)観光資源の掘り起こしについて
 神戸へ観光客を誘致するためには,神戸ならではの特徴を活かした観光資源が必要不可欠である。観光事業を所管する経済観光局内では,例えば農業に観光の視点を持たせ,観光農業としてプロモーションすることで観光施策として活用している事例があるが,他局の事業においても観光資源として活用できるものがないか改めて観光目線で掘り起こすことにより,新たな観光資源の発掘に取り組むべきと考えるがどうか。
(2)道の駅を核とした日帰り観光客誘致について
 神戸市域は広域で,市内各所に魅力が点在し,京都や大阪からも近く日帰り観光であっても十分に楽しめる恵まれた立地にある。今年,道の駅神戸フルーツ・フラワーパーク大沢がオープンしたが,前年同期比の約3倍もの来場者を記録するなど,多くの観光客でにぎわっており大変評価されている。この道の駅を核として,淡河の道の駅の活用や海側にも新たな集客スポットとなる道の駅の整備などにより,複数の観光資源を結ぶ魅力的なモデルルートを構築することで日帰り観光客誘致に取り組むべきと考えるがどうか。
(3)クルーズ客船誘致について
 今年7月には,日華親善神戸市会議員連盟として誘致に携わった台湾からの大型客船「コスタフォーチュナー」が初入港し,入港に際し行われたメリケンパークの夜間のランニングイベントには,乗船客から予定を上回る応募があり好評であった。現地の旅行社からは,生まれ変わったメリケンパークを神戸の夜景を見ながら散策でき,また神戸を訪れたいとの評価を得ており,このような神戸ならではの景色や体験によるおもてなしを充実させることが,今後の継続的な神戸港寄港につながると考えるが,今後の取り組みについて伺いたい。
(議員再質疑1)
 神戸には,日本で最初のムスリムモスクや,日本で唯一の孫文記念館,有馬温泉,世界に誇る神戸ビーフ・灘の酒など,都市の特徴を活かした観光資源が多数存在する。これらの観光資源を一律にPRするのではなく,例えばイスラム圏からの訪日客に対してはハラールへの対応などもあわせてPRするなど,国・地域ごとの趣向に応じた,適切なマーケティングのもと,インバウンド誘致に向けたプロモーションを展開していくことが重要と考えるがどうか。
(議員再質疑2)
 神戸への訪日外国人観光客数は好調に推移しているが,外国人観光客が京都や大阪に流れてしまう傾向にあり,依然としてインバウンドの取り込みに対する課題が残っている。特に経済効果が高い宿泊客を確保するためには,六甲山のトレッキングなどの体験型のプログラムや食や路上コンサート等を活用した夜間でも楽しめるエンターテイメント,さらには,外国人観光客は日本独自の文化への関心が高く,日本人にとっても自国の文化を見直し復活させる貴重な機会ともなることから,神社などと連携することで能・狂言等の日本の伝統文化を活用するといった,訴求力のあるコンテンツを創出していくことが重要と考えるが,宿泊客獲得に向けて今後どのように取り組んでいくのか見解を伺いたい。

4.国際戦略港湾施策について

 国際コンテナ戦略港湾施策の成果もあり,平成28年の取扱コンテナ数は280万TEUと震災以降過去最高を更新し,今年上半期の速報値でも着実な伸びを示していることから,このまま推移すれば過去最高も視野に入ってくるものと期待している。一方で,船社のアライアンスの再編や邦船3社の統合など,港湾を取り巻く状況がめまぐるしく変化しているなか,神戸港はこれにどう対応していくのか。また,航路の維持拡大には時機を得た情報収集とトップセールスが非常に重要と考えるが見解を伺いたい。
(議員再質疑)
 神戸港は車両や重量物などの特殊貨物の取扱技術に秀でていることから,コンテナだけでなく,これら在来貨物への支援や取扱技術の継承も行うことが重要であるとこれまでも指摘しているが,具体的な取組内容と成果及び今後どのような目標を持って実施していくのか伺いたい。

5.公共交通施策について

 昨年度拡充された神鉄シーパスワンが,神戸電鉄の利用促進につながっているなど,本市における公共交通施策が一定進んでいることは大変評価しているが,市民生活の利便性向上に向けては,インパクトのある公共交通施策を今後も展開させていくことが求められると考えている。 北区においては,神戸電鉄を利用して三宮以東に行く場合には神戸高速線や阪急神戸線を同一企業グループが運行しているにも関わらず,路線ごとに初乗り運賃が発生して高額な運賃となっている。運賃低減にむけた働きかけを阪急電鉄等に積極的に行っていくべきと考えるが,見解を伺いたい。
(議員再質疑)
 運賃低減への働きかけを効果的に行うにあたっては,神戸高速が所有する北神急行の残債務等を阪急電鉄が引継ぐことが予定されている,平成34年(平成33年度末)までが期限的なリミットになると考えている。この残されたわずかとも言える期間内において,他にも地下鉄西神・山手線と阪急電鉄神戸線の相互乗り入れや,高額な運賃となっている北神急行の買取りの議論も含め,交渉のカードをフルに活用していくことが重要であると考えるが,見解を伺いたい。

[代表質問]要旨 植中雅子 議員(北区選出)

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1.若者に選ばれるまちについて

(1)少子化対策について
 少子化や人口減への危機感が高っており,全国の自治体が独身男女の出会いの場づくりやマッチングといった婚活事業に取り組んでいる中,神戸市でも「婚活事業」に取り組むべきと質問してきたが,なかなか前に進んでいない。
 妊娠・子育てと切れ目のない支援には評価しているところだが,まずはその前の結婚がスタートである。国が少子化危機突破のための緊急対策にもとづく交付金により全国自治体を支援するとしている中で,全国2位の成果を挙げている兵庫県の取り組みに敬意を表すところだが,神戸というすばらしいロケーションを活かした「出会いの街神戸」プログラムとして,出会いの場作り・マッチングによる婚活事業を,神戸市としても進めるべきと考えるが,あらためて見解を伺いたい。
(要望)
 少子化対策として,やはり結婚から子育ての支援の流れのなかで,途中からの支援ではなく,最初の結婚支援からスタートすることが重要であり,目に見える形での具体的な施策を実施していただきたいと要望しておく。
(2)専門学校との連携について
 本市では若者に選ばれるまちづくりの施策の一環として,大学との連携を推進して,若手人材の流入・育成・定着に取り組んでいるが,現状の市内大学生の市内企業就職率は低調に留まっている。一方で,専門学校生の昨年度の市内就職率は比較的高い水準と聞く。専門学校との連携を強化することで,より一層神戸市内で就職・居住する若者が増えるのではないか。大学のみならず、専門学校との連携を強化し、神戸がより多くの若者に選ばれるまちになるよう取り組みを広げるべきと考えるがどうか。
(要望)
 専門学校には専門的な技能を身に付け世界に羽ばたくような人材もいることから,専門学校が持つ強みを市の関連施策に有効活用できるよう,産学官の連携体制に専門学校も組み入れていただくよう要望させていただく。
(3)人材不足の解消について
 昨今の雇用情勢については失業率や有効求人倍率の改善が進む一方で,物流業や警備業などのあらゆる業種で人材不足が深刻化している。現在本市では労働人口の減少や若年層の市外流出を抑止し市内での就職を促進するため,国や県及び就労関係機関や教育機関と連携して若者の人材確保支援に取り組んでいるが,業種に応じた対応を検討するなど市内企業の人材確保を促進するため更なる支援策を実施すべきと考えるがどうか。
(議員再質疑)
 現在実施している企業と就職希望者のマッチング支援についての現状の実績と,成果をさらに上げるために今後どのような施策に取り組んでいくのか,見解を伺いたい。
(要望)
 地元企業の雇用環境の充実や処遇改善については,局別審査で改めて会派から質問するが,入札時における最低制限価格制度の対象業務の拡大など公契約の制度改善に取り組むべきと要望しておく。
(4)企業誘致について
 本市では,500スタートアップスと連携し企業家育成プログラムの実施等によりIT関連産業の集積を目指しており,プログラム参加企業のなかには既に資金調達まで結びついた事例もあると聞いているが,更なる成功事例を作るためには,(さきほど坊議員の質疑にあったように)IT関連のベンチャー企業の神戸への誘致が必要である。この点北区の谷上は,新幹線や空港からのアクセスも山を越えればすぐであるなど交通利便性を備えており,シリコンバレーに似ている立地環境と思っている。この地域へ企業を誘致するためのインフラ整備など,ベンチャー企業誘致を推進していくための取り組みを検討すべきと考えるがどうか。
(議員再質疑)
 谷上へのベンチャー企業の事務所移転や移住の促進は,IT関連企業が集積するまちとしてのにぎわい創出や,北神急行の利用者の増加につながるものと考える。呼び込むための手段として空き家の有効活用を図るなど,積極的な取り組みが必要と考えるがどうか。

2.観光関連施策について

(1)人材育成支援について
 神戸で滞在型観光を推進していくうえでは,有馬温泉のような宿泊機能を持った観光資源は重要であるが,宿泊業を中心とした観光産業の人材不足が全国的に問題となっており,人材の確保と育成は急務となっている。本市として今後旅館・ホテル業などの神戸の観光産業の担い手となる人材の確保や育成について,どのように取り組んでいくのか見解を伺いたい。
(2)民泊への対応について
 住宅宿泊事業法の成立により今後の民泊営業の広がりが予想される中,他都市ではごみの散乱や騒音の発生などにより地域住民の生活環境に多大な影響を及ぼし,トラブルとなる事例がすでに顕在化している。良好な市内地域の公衆衛生を維持し安全安心な市民の生活環境を守るためには,今後示される予定の国のガイドライン等に沿って検討していくことは当然としても,神戸市として十分に市内の状況を把握し,必要な対策を条例化していくことが求められるが,条例化に向けた神戸市の基本的な考え方について,見解を伺いたい。
(要望)
 神戸には有馬の旅館・ホテルなどプロのおもてなしのサービスにより長い年月をかけて築き上げてきたブランド力のある観光資源があるなかで,民泊によるトラブルによって神戸の都市のイメージの低下を招くことがないよう,民泊に対する問題点の把握につとめ必要な対応をとっていただくことを要望させていただく。
(3)ユニバーサルデザインの推進について
 本市ではバリアフリー基本構想に基づき高齢者や障害者及び外国人観光客など市民や来訪者が移動しやすいまちとなるよう,ユニバーサルデザインに配慮した整備や案内サインの設置などが進められている。今後の高齢者の増加や観光客の多様化を踏まえ,車椅子利用者や大きな荷物を持った旅行者など誰もが利用しやすいタクシー車両の普及支援など,さらなるユニバーサルデザインの推進が必要と考えるがどうか。
(議員再質疑)
 横浜や名古屋など他の政令市ではユニバーサルデザインタクシーの導入に対し市独自に支援している自治体もあるなか,本市においても補助を検討すべきと考えるがどうか。

3.健康創造都市KOBEの推進について

 現在本市では認知症対策や介護予防の充実による健康寿命の維持・延伸への取り組みなど健康創造都市KOBEを推進しており,在宅医療と介護を結びつける連携拠点として医療介護サポートセンターを開設するなど具体の取り組みが進められている。他の職種を幅広く研修することへの支援による人材育成など,地域の医療・介護関係者等による多職種連携の取り組みをさらに推進することが必要であると考えるが,見解を伺いたい。

4.災害時要援護者支援について

 神戸市では300箇所を超える施設が福祉避難所に指定されているが,障害や要介護の程度などにより支援の必要性も様々であることから,要援護者の特性に応じたきめこまやかな対応が図れるよう,関係者間の要援護者に関する情報共有や各福祉避難所の機能等の整理を十分に進めることとともに,母子や妊産婦に対する特別の対応が必要な場合にも十分対応できる福祉避難所の確保も一層進めていく必要があると考えるが,見解を伺いたい。
(要望)
 昨年発生した熊本地震では,災害後の避難生活でエコノミークラス症候群を発症し死に至った事例があったが,同様のケースによりせっかく助かった命を2次災害で亡くすことがないよう,福祉避難所の確保と柔軟な対応がなされるよう要望させていただく。

5.障害者支援について

 歯科口腔保健に関する取組の推進を目的とした神戸市歯科口腔保健推進条例が昨年度施行され,障害者等の特別の配慮を要する方の歯科保健医療体制の確保及び定期的な歯科検診に関する施策の実施についても規定されている。障害者など一般の歯科診療所での診察が困難な患者に対しては,現在歯科センターで治療に対応しているが,遠方の患者にとっても負担がないよう更なる訪問検診の拡充や,地域で歯科医療を受けることが可能となるような体制確保が必要と考えるがどうか。

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