平成21年第1回定例市会が、2月20日から3月26日までの35日間の日程で開かれ、平成21年度神戸市当初予算案及び関連議案が審議されました。
2月26日の本会議において、たけしげ栄二議員(垂水区選出)及び森下やす子議員(垂水区選出)は、自由民主党神戸市会議員団を代表し、市長及び関係当局に質疑を行ないました。
| 平成21年度神戸市当初予算案 |
| 予 算 額 [ 対前年対比 ] |
| 一般会計 |
7,527億円 |
[ 3.5% ] |
| 特別会計 |
1兆 556億円 |
[ △ 5.0% ] |
| 予算総額 |
1兆8,083億円 |
[ △ 1.5% ] |
■[代表質問]要旨 たけしげ 栄二 議員(垂水区選出)
1.次期基本計画について
次期基本計画は,これからの人口減少時代に,神戸をどのように活性化させていくのかという,困難ではあるものの,必ず実現していかなければならない課題に対して,「挑戦」していく姿勢を示す極めて重要な計画である。
平成21年度は,将来の本市の礎となるこの極めて重要な計画づくりに取り組む1年となるが,人口減少下のまちの活性化という困難な課題を解決していく指針となる「新基本計画」について,市長はどのような思い・抱負をいだいているのか,見解を伺いたい。
2.ポスト行政経営方針について
本市の財政状況は極めて厳しく,市民のくらしを守り続けるためには,まだまだ手綱を緩めることなく行財政改善に取り組む必要がある。
行財政改革を続けてきたことは大いに評価しているが,財政健全化法の施行,景気の悪化による市税収入の減少,少子・超高齢化社会の進展により,今後更に財政状況が厳しさを増していくことが予想されることなど,より一層の行財政改善への取り組みが不可欠である。また,昨年6月に出された行財政改善懇談会の「行政経営方針の中間検証」でも,様々な指摘を受けている。このような観点から,平成23年度以降のポスト行政経営方針について,残された課題に対し,今後どのように取り組んでいこうとしているのか,市長の見解を伺いたい。
3.雇用対策について
雇用行政は国や県に負うところは多いものの,市民ニーズに応じたきめ細やかな施策を展開する基礎的自治体として,市としても負うべき役割はあると考える。
平成21年度は,国の緊急雇用創出事業交付金を活用した雇用機会の創出などの雇用対策を展開していくと聞いているが,スピード感をもって間髪を入れず,迅速に実施するとともに,今後とも常に柔軟な発想により,社会経済情勢の変化に応じ,適宜,的を射た施策を展開していくべきと考えるが,市長の決意を伺いたい。
4.神戸経済の活性化について
現在,神戸で世界的に誇ることができる技術は,三菱重工や川崎造船の造船,神戸製鋼の自動車用線材,新明和工業の水上飛行機,川崎重工の新幹線など鉄道車両,それに三菱重工の商業用原子炉などと考えている。地場の産業である鉄道車両,造船,更には原子力発電といった分野を得意とする企業が神戸にあることを,世界にPRしていくことが重要であり,これらの神戸が誇る企業が元気になることで,雇用の場を創出し,地元中小企業の受注増,更には神戸港の活性化に結びついていくものと考える。
海外の友好都市や,これから発展が期待されているインド・アジアの国々に対して,このような神戸発の優れた強みを積極的に発信・PRしていくことで,都市の新たな経済交流をもたらし,それらを呼び水に,新たな企業の誘致,工場の新増設など市内投資を促していくことが,景気低迷を打開する一つの方策であり,神戸経済の活性化につなげることができるのではないかと考えるが,見解を伺いたい。
5.港湾の活性化について
今年度には,コンテナ取扱個数について目標である250万TEUを達成し,今後は次なる目標である300万TEUの目標を打ち出し,強力に取り組みを進めるとのことである。昨年末からの状況は極めて厳しいが,この状況を打ち破り,できるだけ早く新たな目標をも達成し,活性化を図っていかなければならない。
そこで,将来の神戸港をどのような港にしていこうとしているのか,「みなと神戸-いきいきプラン」により方向性が示されてはいるが,利用する側にとって,利用しやすい港とするべく,競争力のある港として,更に戦略的に取り組みを進めていくべきと考えるが,見解を伺いたい。
6.救急医療対策について
神戸市の二次救急医療は,診療科によっては,医師不足・経営困難を理由に輪番病院に空白が生じている。小児科輪番についても,昨年12月より新聞公表が当面の間中止となった。このような救急医療を取り巻く厳しい状況に対して,市としてどのような対策をとっていくのか。
また,子どもを生み育てる環境が十分に整っていることが,まちとしての魅力の大きな要素であり,小児科救急体制の充実には,至急対応していかなければならない。
近隣地域では,市域を超えた救急受入体制を整え,親御さんの不安を解消するばかりか,医師不足の中,地域の医療機関の負担軽減にも大きく寄与している。
新年度において,小児救急医療体制拠点整備実施調査を実施するとのことだが,一刻も早く拠点を整備すべきと考えるがどうか。
7.教育の振興について
学習指導要領の改訂が行われ,平成21年度より移行措置として,可能なものから先行実施が行われる。
本市においても,神戸市教育振興基本計画を策定中であり,「基礎基本の力」をつけた子どもを育てるべく,神戸スタンダードや神戸ミニマムを策定する予定と聞いている。この神戸スタンダードや神戸ミニマムは,文部科学省の新学習指導要領の内容を上回るくらいの意気込みで作り上げる必要があるのではないか。また,これらの目標を達成するためには,何回も繰り返して子どもに教え込むことが必要ではないか。
このような一歩進んだ内容の計画を策定し,実践していくにあたっては,教育委員会が強い指導力を発揮して取り組まなければならないと考えるが,現時点における取り組み状況と今後の方針について伺いたい。
8.医療産業都市構想について
(1)市民の中には、まだ医療産業都市構想の内容を知らない方もおられるが、神戸で開発された薬が病気で苦しむ全世界の人々の治療に役立つということになれば、市民にも医療産業都市構想が浸透していくことになる。
現在,次世代スーパーコンピュータをライフサイエンス分野で有効に活用するため、理化学研究所が、創薬・医療に役立つシミュレーションソフトウェアを研究開発しており,次世代スーパーコンピュータと医療産業都市構想を連携させる絶好の機会である。
この機を逃さず、次世代スーパーコンピュータを活用した創薬研究を行う拠点の誘致を進め、医療産業都市構想のさらなるステップアップを図るべきと考えるが、見解を伺いたい。
(2)医療産業都市・神戸を名実ともに根付かせていくには,医療産業に携わる企業が必要とする人材を,市内から供給できるような仕組みを構築することが必要ではないか。
既に,薬学部などを設置した大学が進出しているが,神戸市自体が人材を育成し,企業のニーズに合った人材を確保することが求められると考える。
現在,神戸市立の理工系教育機関としては,神戸市立工業高等専門学校があるが,この高専を有効に活用して,例えば,プロテイン工学やロボット工学などのカリキュラムや,コースを設置し,医療産業都市構想と連携した人材育成を図っていくべきと考えるが,見解を伺いたい。
9.低炭素社会への取り組みについて
京都議定書に基づき,2012年までの4年間に1990年比でマイナス6%のCO2削減が必要となっているが,強制力のない現状では,なかなか実効性が伴わない。国においては,排出権取引が試行実施され,兵庫県でも兵庫版クリーン開発メカニズムの検討が行われているが,一方で,企業活動への影響も少なからずあるのではないか。
本市においても,市域の温室効果ガス排出量削減の取り組みを進めているが,順調な進捗とはなっていない。
今後,目標年次までの2年間,また,その後の更なる CO2削減に向けて,企業,家庭などに対して更なる働きかけを行っていくことになると考えるが,排出権取引や企業へ与える影響を含め,市として今後どのように取り組みを進めようとしているのか,見解を伺いたい。
10.市営住宅マネジメント計画について
震災復興事業により,市営住宅を大量供給した結果,市営住宅に入居する世帯の占める割合は指定都市で最も高く,約8%となっている。
平成23年度以降の「第2次市営住宅マネジメント計画」策定にあたっては,市営住宅と民間住宅との役割分担,市営住宅会計における経済性の確保,建て替え時の民間活力の導入,積極的な跡地処分について十分に検討していく必要があると考えるがどうか。
■[代表質問]要旨 森下 やす子 議員(垂水区選出) ■
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11.子どもの食育について
(1)平成18年度予算の代表質疑において,市長は「子供が健全に育っていくためには,早寝,早起き,朝ご飯が必要で,食生活の乱れは,成育に大きな影響がある」と答弁されたが,家庭での生活習慣と食事が母親の役割として最も重要と考えている。本市の全国学力・学習状況調査結果を見ても,朝食を毎日食べる子どもの正答率は高く,食生活の乱れは学業にも大きな影響を与えている。また,「神戸市食育推進計画」においても核家族化や共働き家庭の増加,栄養の偏りや食習慣の乱れなどが指摘されている。
これまでにも食育に関してイベントを中心に普及啓発等を行っているが,家庭での食生活の重要性を市民一人ひとりが再認識し,家庭における食育が浸透していくよう,積極的に施策を展開していくべきと考えるがどうか。
(2)また,家庭に加え,学校においての食育も重要である。
子供たちに対する学校での食育は,家庭の取り組みへと波及していくのではないか。
たとえば,学校給食においてこうべ旬菜を代表とする市内産野菜の利用を進めるとともに,米飯給食を拡大し,しっかりとよく噛んで食べるよう進めていくなど,学校給食を食育の授業であると捉え,一層推進していくべきではないか,見解を伺いたい。
12.保育所の待機児童解消について
待機児童の減少は評価しているが,すべての方が希望したときに入所できることが理想であり,人気のある保育所とそうでない保育所があると聞いている。
新たに保育所を建設すると多額の費用がかかるが,現状の保育所において,より機動的かつ柔軟な受け入れを行うことで,子育て世代のニーズにこたえていくことができるのではないか。例えば,駅前のスペースを確保し,そこから受入枠に余裕のある保育所にバスで送迎するといった方法による送迎保育ステーション事業の拡充や,公立保育所の定員に柔軟性を持たせるなど更に弾力的な受け入れを行うことにより,保護者のニーズに対応し,更なる子育て世代の負担軽減を図っていくべきと考えるが,見解を伺いたい。
13.デザイン都市・神戸の推進について
昨年,ユネスコのデザイン都市に認定されたが,ユネスコの認定に至ったように,神戸のまちにはすでにたくさんのリソース(資源)が根付いている。これから新しいものを生み出していくことだけではなく,既に今ある神戸の豊かなリソース(資源)をより有効に活用することによって,「デザイン都市・神戸」を推進していくことが必要ではないか。
たとえば,高齢者や車椅子を利用されている方,その介助者の方々が出かけたときにちょっと休憩できる場所が市街地には少ないと感じているが,高齢者などが使いやすいイスを子供たち自身がデザインしてまちに設置してはどうか。協働と参画の「デザイン都市・神戸」につながるだけではなく,今,神戸の子供たちが持っているお年寄りへの感謝の気持ちを活かすことになるのではないか。市長の見解を伺いたい。
14.ホスピタリティにあふれるまちづくりについて
(1)神戸のまちは,来訪者にとってホスピタリティあふれる都市になるべきである。
現在,「神戸らしい眺望景観の形成施策」の中で,建物の高さ,屋外広告物の位置や色彩等の規制を検討しており,神戸のまちの魅力のひとつである景観を守っていくホスピタリティあふれる取り組みと考えている。
こういったホスピタリティあふれる取り組みを,特に神戸の玄関口である三宮駅周辺で更に拡充していくべきではないか。例えば,眺望景観の形成施策を三宮駅周辺全体へと拡大すること,三宮駅の神戸らしいデザインの実現,駅周辺の歩行を阻害するのぼりや違法駐輪への対応など,市民だけでなく来訪者の視点にもたって,ホスピタリティあふれるまちづくりを展開していくべきと考えるが,見解を伺いたい。
(2)水道局では,阪神・淡路大震災の被災都市として,災害への備えを行っており,小学校に「いつでもじゃぐち」を設置している。また,21年度は新たに,水需要の喚起を促すため,人が集まる場所にデザイン性のある水飲み場を設置すると聞いている。
ペットボトルを片手にまちを散策する観光客や,最近では水筒にお茶や水を入れて出勤する方が多い。このような方々にとって,デザイン性のある新たな水飲み場は,街中でおいしい水に親しむ良い機会にもなるほか,さらに,安全安心なまちづくりを進める神戸として「いつでもじゃぐち」のような災害時の応急給水機能を加えることも可能ではないか。
また,この水飲み場を通じて,企業と地域とが応急給水訓練を一緒に実施することで,都心部での人の交流を促すとともに地域防災力の強化につながるものと考えるが,見解を伺いたい。