平成20年第3回定例市会が、9月18日から10月24日までの36日間の日程で開かれ、平成19年度神戸市各会計決算が審議されました。
自由民主党神戸市会議員団を代表して、山口由美議員及び平野章三議員議員は9月25日の本会議において、市長および副市長に質疑を行ないました。
■[代表質問]要旨 山口 由美 議員(西区選出)
1.子育て支援について
1.本市の子育て支援事業については,平成17年に策定した次世代育成支援対策推進行動計画をもとに,123の事業を展開しているが,平成19年度に行った行動計画の検証によると,保育園をはじめとした施設やサービス利用者の約8割が本市の子育て支援事業に対して満足している一方で,乳幼児健診時に実施したアンケートでは,8割以上の方が満足していない状況である。
近年,子育て支援事業に対して力を入れているが,市民が「神戸で子育てをして良かった」と,また,神戸で育った子供たちが「大人になって神戸で子育てをしたい」と思えることが大切である。
そこで,平成22年に次期の次世代育成支援対策推進行動計画を策定する際には,この先約10年の間に,子育てをするであろう次世代の方たちに,子育て支援についてのアイデアを提案してもらい,これを施策に反映してはどうか。また,それにより,自分たちのライフプランを考えるきっかけになると考えるがどうか。
2.保育の様々な現場を見る中で,認可外であるが,重度の障害児を受け入れている保育所があり,非常に衝撃を受けている。
本市においても,昭和53年から障害児保育を開始しており,時代を先読みした,保護者の目線に立った事業を行ってきた。
しかし,24時間365日の気の抜けないケアは,保護者にとって非常に負担であり,今後は,医療的ケアが必要であっても集団保育が可能な子供が,容易に保育施設に預けられる環境づくりが,非常に重要になると考える。
医療的ケアには,専門の看護師を配置しなればならないという課題もあり,現在すでに医療的ケアの必要な子供を預かっている先の保育所との連携など,柔軟な対応を検討してはどうかと考えるが,見解を伺いたい。
2.障害者の自立支援について
1.障害者の自立支援については,平成18年に障害者自立支援法が施行され,全体的な底上げはなされているものの,経済的な自立には程遠いのが現状である。
本市では,障害者の芸術活動に対して,活躍の場を提供してきたが,芸術活動でも経済的に自立できる状況が理想と考える。
これまでも,一般就労に至るための支援を行ってきたが,今後は芸術活動といった専門的な就労という観点も視野に入れ,全庁を上げて,障害者の活躍の場の提供に取り組んで
2.障害者スポーツは,障害者の生活レベルの向上に寄与し,ひいては就労や社会参加を容易にしうるものである。
しかしながら,障害ゆえに必要となる道具が高額であることが,障害者スポーツの敷居を高くしている。
毎年,各種団体や企業から神戸市へ,車椅子を寄付するという話題を聞くが,日常用車椅子は低価格化し,手軽に手に入るようになったこともあり,余っているのが現状である。
そこで,こうした市民の方々からの好意を,障害者スポーツの振興に生かすなどの取り組みができないか,見解を伺いたい。
3.特別支援学校について
本市の特別支援学校は,学校数,立地条件など充実しており,特に教職員の質の高さは,障害児に対する教育のニーズの変化や,障害の重複化など,様々な課題にも十分に対応していく能力を有していると考える。
本年2月,新たに「特別支援学校のあり方検討会」が設置され,今まさに,現状の課題を論議されているところだが,神戸市の財産とも言える市内6校の特別支援学校において,これまで意識的に取り組んだこと,今後,意識していきたい点など,見解を伺いたい。
■[代表質問]要旨 平野 章三 議員(垂水区選出)
1.神戸空港について
先日、大阪府の橋下知事と関西国際空港の村山社長が神戸市との協議のため来神された。
神戸に対して厳しいスタンスを持っている村山社長も自ら神戸市へ足を運んだことは意外であった。対談では、市長がリーダーシップを持ち、3空港の一体運用を目指すべきであるという意見をよくまとめ上げたものである。また、翌日には谷垣国土交通大臣と個別に空港問題について協議したようである。
最終的に3空港の経営主体を関空会社に一本化すべきとのことだが、3空港の運営は、関空が株式会社、伊丹は国、神戸は神戸市が担っており、非常に複雑な問題を有している中、神戸空港の発着枠の拡大や運用時間の延長などは引き続き申し入れを行うことは当然のことであるが、まず、運営形態、需要、利便性、環境面などを考えた場合、市長は一体運用について、どのような方向性を持って取り組んでいこうと考えているのか伺いたい。
2.先端医療開発特区について
「革新的技術特区」の創設について、さる3月末に市長も上京され、当時の大田経済財政諮問会議担当大臣や甘利経済産業大臣などに会われ、その実現を要望されたが、平成20年度は、その第一弾として、最先端の再生医療、医薬品・医療機器の開発・実用化を促進する「先端医療開発特区」が創設され、既に7月末に公募が開始され、9月12日に締め切られたところである。
一方、神戸市医師会は「先端医療開発特区」が市民の安全性や、生命の倫理が充分に担保されないまま推進することに強く反対するとして市長宛に決議文も送付され、各区医師会の会合などでも同様の意見が出されているところである。
先端医療振興財団の研究者からは再生医療を始めとする分野で大学や企業の研究者との連携により「先端医療開発特区」の提案がなされたとお聞きしているが、神戸医療産業都市構想の今後の発展や地域医療の推進も勘案すると、神戸市としてもこのような神戸市医師会の懸念を早期に払拭する努力も必要ではないか。
昨日、自民・公明の両会派から、このような内容の市長への要望を行ったところだが、この際、今回の先端医療振興財団による提案が、神戸市医師会が従来から懸念している「混合診療の推進」や「株式会社による医療機関の運営」などの規制緩和に結びつく提案ではなく、提案が国において採択された暁には、財団において、従来どおり、市民の安全性や生命倫理に充分配慮して研究開発を実施していくことを、市長からもはっきり明言され、神戸市医師会にも説明すべきと考えるが、市長のご意見をお伺いしたい。
3.都市計画のあり方について
近年の社会情勢から、都市部においても疲弊感が見られる中、まちの活性化や産業の振興に鋭意取り組んでいかなければならないが、土地利用計画などを定める都市計画は、まさに都市の活性化、活力の増進を誘導する欠かせない行政施策である。
昨年、都心ウォーターフロントにふさわしい賑わいづくりと活性化に資するため、神戸ハーバーランド地区の事業用地の活用について、民間事業者の募集を行ったが、1社の応募もなかった。この結果は募集内容に数多くの判断ミスがあった上、社会情勢を十分に読み切れなかったことに原因があり、ハーバーランドの活性化の遅れをとったことは責任重大である。
また、現在市民意見募集を行っている準工業地域内における特別用途地区の活用については、大規模集客施設の立地規制を行うものであるが、平成19年11月に施行された都市計画法の改正の動きに追随した感は否めない。
大規模集客施設の問題は、それ以前から表面化していたものであり、国の動向に応じて改正するとした今回の内容について、神戸市として独自の判断も持っていなかったことである。
本来、都市計画は中長期的な視野で見直しを行うものであり、権限を持つ都市計画としては計画性に欠けており、このような安易な改正が、時には個人の財産に多大な影響を与えることになる。都市計画総局としては5年後、10年後の神戸の将来を見据えたものでなければならず、計画的かつ長期的な視野で判断し、筋を通した政策として行うべきものと考えるがどうか。
4.農業公園の土地利用について
農業公園については、公の施設としては平成17年度末をもって廃止し、土地処分が具体化するまでの間、暫定的に市民開放が行われている。
廃止から3年目を迎えているが、貴重な市民の財産である農業公園は有効活用ができておらず、いつまでも現行のままというのはいかがなものか。
現在、今後の神戸の将来像を描く次期マスタープランの策定準備を進めつつある。
現状では地区計画の導入が検討できるが、農業公園についてマスタープランに位置付けることにより、新たな活用が可能となる。
市民の財産を放置することなく、今しかないこの時期にマスタープランに位置付け、決断していくべき時ではないか。
土地の活用策としては、例えば、農業公園のイメージを残しながら、農と触れ合うことや、健康・福祉も組み込んだ新たなまちづくりなど、全国から見てもモデルとなる地域として検討していくべきと考えるがどうか。更には土地利用について幅広い提案募集してはどうか。
5.東部市場のあり方について
流通構造の変化等に伴い、市場経由率が低下し、中央卸売市場の取扱高が年々減少していくなか、中央卸売市場本場と東部市場の活性化をはかっていく必要がある。
国が示す卸売市場整備基本方針では、中央卸売市場の再編基準を設けており、今後再編基準が厳しくなった場合、地方市場への格下げを余儀なくされる。
この場合、産地や買受人からの市場評価への影響は避けられず、両市場の再編によって好転をはかることも検討する必要があるのではないか。
東部市場は、本場と比べ再編基準に近い水準にあり、今後現状で維持していくことは困難である。
また、本場と東部市場の取扱高の差は歴然としているものの、敷地面積はほぼ同じである。
そこで、仲卸業者を中心に今後も実質的に東部市場を守っていくためには、両市場を本場へ一本化し、東部市場を統合してはどうか。
その際には、例えば、今日までの地域における東部市場の拠点性から、せりについては本場で行い、東部にも分室として市場機能を残すことや、花卉への対応を行いながら、東部市場の敷地も一部を処分するなど、別途有効活用することを検討してはどうか。
6.中学校の部活動について
子ども達は小学校の時から空手や柔道など様々なスポーツに取り組み、中学校入学後も続けたいと希望するものの、生徒数の減少や、それに伴う教員数の減少、顧問となる人材不足などにより、中学校の部活動は非常に限定され、活動が継続できない状況が見受けられる。
子ども達が本当にやりたいスポーツをやらせる、やり続けさせてやることは子ども達の教育にとっては非常に有意義なことではないか。
しかし、現状では中学校での部活動は種類が限定される上、学校内での部活動しか認めていない。
これは子ども達のためという視点ではなく、学校内部の運営を守ろうという姿勢ではないのか。
学校外での活動を部活動として認めることや、外部指導員を更に積極的に増員する等により、子ども達の希望をかなえ、中学校進学後も活動が継続できるように検討すべきではないか。
毎年、真剣に取り組む姿勢が見えない教育長の同じ答弁を繰り返してきたことに対し、新教育長として子ども達と向き合う姿を是非見せていただきたいがどうか。
7.救急搬送と輪番病院の連携による救急医療の充実について
昨今の医師不足等による二次救急病院の撤退により、救急医療体制の確保は全国的な社会問題となっている。
各地で救急医療の崩壊が報じられ、本市においても、市民の健康と安心を守るため、輪番体制の維持は必ず成し遂げなければならない。
また、医療のコンビニ化問題について、救急車の利用も残念ながら適正利用がなされているか甚だ疑問であり、真に必要な方が必要な時に利用できる体制を常にとっておくことが行政としての責務である。
本市救急輪番に参加する53病院においては、一次・二次・三次救急のうち、一次的な利用が多く、救急病院を取り巻く状況は極めて厳しいのである。
そのため、まずは市民に救急医療についてご理解をいただくことが必要であるが、本市における救急医療体制を維持し、本当に重篤な患者を守っていくためにも、救急に注目を集めている今こそ、例えば休日・夜間に限定して、救急搬送に対する費用負担をお願いすることはできないか。
その際には、市内市立・民間の休日夜間における救急病院が徴収し、それを特定目的の財源として輪番病院への支援など、地域における救急医療体制の維持に活用することを検討してはどうか。
また、市として検討していく場を設けるとともに、他都市も含めた協議を行い、全国に広げていくべきと考えるがどうか。
8.西市民病院のあり方について
西市民病院は、市民の生命と健康を守る役割を担う市街地西部地域の中核病院として運営する市立病院であるが、患者は高齢者と特定の地域が大きな割合を占め、診療報酬収入も中央市民病院と比較すると入院、外来ともかなり診療単価差が大きくなっている。
現状ではかかりつけ医的な地域密着型病院であり、高度医療や救急医療など行政的不採算医療に対し市税を投入してまで、西市民病院はその機能が十分に発揮できていないのが現状である。
その結果、同じ市民病院でも中央市民病院とは職員のモチベーション等にも大きく影響し、さらに今後の西市民病院について市としての方針を示せていないことが重要な問題である。
また、収支の悪化は病院事業会計の大きな経営課題となっており、来年4月より地方独立行政法人として弾力的な運営を行うこととしているが、これにより抜本的な解決が図られるものではない。
このように西市民病院を、今後も維持していくということであれば、例えば、医療機能については、歴史的背景や地域性を鑑み、診療科目は十分な体制をとりながら、入院については特定の診療科に特化するなど、収益面から考慮した場合、思い切った見直しが必要である。
しかしながら、それでも本来の市民病院としての役割は果たせないのではないか。
結果として大幅な再編や、病床数の減など、医療機能や運営主体の見直しを迫られることになると考えるがどうか。
そこで私の提案だが、総合病院の維持、救急体制の確保、経営改善に向けて医療水準も上げていくこと等に責任を担っていただくことを前提に、特定の大学に指定管理者的に運営をお願いするなど、西市民病院の抜本的な方針変更を行ってはどうか。
それにより、西神戸医療センターのような水準にまで上げることが可能となるのではないか。
検討すべきと思うがどうか。
9.危機管理センターについて
財政状況が大変厳しい中、本市では120億円の事業費をかけ、ほぼ市単独で危機管理センターを整備することとしている。
あらゆる危機に対して一体的な危機対応を行う中枢拠点として整備するとのことであり、その必要性について否定するものではない。
しかし、果たしてあの場所に必要なものか。
前面道路は一方通行であり、道路幅も狭く、しかも現在の建物を解体してまで免震構造の庁舎を建設するとのことである。
また、その免震構造の9階建て庁舎を建設するに際し、3フロアーについてはその内容に相応しい入居する部局が決定していないことも計画性に欠けるのではないか。
そして、120億円の事業費に対する国の交付税がおよそどのくらいの比率か、との問い合わせに答えられず、危機が発生した際には警察や自衛隊の応援を受けると言われるが、果たしてあの場所が本当に望ましいのか。
平常時に市庁舎に隣接している方が望ましいというのが本意ではないのか。
また、システムについては将来のランニングにも大きな経費が必要であり、ランニングも含めて入札するなど、以前に申し入れたことにより入札方法を見直したように思われるが、トータルとしてコストの削減を示していないことなど、疑問点がまだまだある。
危機管理センターについては、震災をうけた都市として意見を非常に言いにくいが、しかし是非、器ありきからスタートでなく、中身から積み上げ、事業費もできるだけ抑えるよう、要望しておきます。