平成20年 第1回定例市会 平成20年度神戸市当初予算案 予算特別委員会 [総括質疑]要旨
平成20年度当初予算案に関し、3月13日の予算特別委員会において吉田基毅議員は、市長・関係当局へ総括質疑を行いました。
■[総括質疑]要旨 吉田 基毅 議員(灘区選出)
1.行政経営方針について
1.実質市債残高の削減目標を更に1,000億円上乗せし,6,000億円の削減を目指すとされた点については,市長の財政健全化に向けた並々ならぬ決意であり,評価したい。しかし,忘れてはならないのは,子ども,高齢者,障害者,さらには産業振興の分野などで,市民生活を多角的な視点から見つめなおし,バランスのとれた施策を引き続き実施していくことである。局別審査では,その中で「地元企業の活力の維持」を目指した質問をしたところ,「投資的経費は総額として抑制しつつも,地元中小企業の受注増につながる生活密着型投資の事業費は確保している」との回答であった。街全体が元気になるなど,地域経済の活性化は,特に推し進めていくべき分野と考える。そこで,さらに地元企業の活性化などにつなげる財源を確保するためにも,行財政改善の取り組みをより強力に進めていくべきである。すなわち,行政内部の効率化をさらに進め,徹底的な見直しに取り組むことで財源の捻出は可能である。市長がよく言われている「市民の目線に立った抜本的な見直し」といった視点での,さらなる行財政改革について,市長の決意をお伺いしたい。
2.環境局における収集体制の効率化については,行政経営方針に基づいた人員削減,手当の見直しなど努力をしてきたことは承知しているものの,他都市や民間との比較ではまだまだ不十分であり,3人乗車の見直し,人件費の見直しなど委託化も含め,今後の具体的な方向性について示すべきと,環境局の局別審査において質問した。環境局からは,「ごみ量の変化等も見ながら検討を進めていきたい。」との答弁で,収集体制を具体的にどのように見直すのかという考え方なり,方向性については示されなかった。方向性がなければ,結局これまでの見直しだけで終わってしまい,行財政改善が止まってしまうのではないかと危惧している。そこで,改めて今後の収集体制の具体的な見直しについて伺いたい。
2.指定管理者制度について
指定管理者として指定を受けている団体としては,まだまだ,外郭団体が占める割合が高い。これについて,局審査では,将来,地域団体に委ねることを前提に暫定的に外郭団体を指定している84施設を含んでいることや地域経済の活性化にも十分配慮しながら,公募を原則として競争性を確保し,施設ごとに最もふさわしい担い手を選定していくとの回答であった。そこで「施設ごとに最もふさわしい担い手を選定していく」という点に関して,1点尋ねておきたい。
現在,指定管理者の選定にあたっては,各局に選定委員会が設置され,所管局の職員がそのメンバーに入っている。当該施設の設置目的等を熟知した職員が審査を行うことで,当該施設ごとに最もふさわしい担い手を選定できるという趣旨だと理解するが,同時に所管局の職員は,外郭団体を所管するという立場にもあるため,その妥当性について課題があるのではないか。他都市では局の職員を選定委員会のメンバーとしない形で運用されているところもある。そこで公正な競争を確保するという観点からこういった点を見直していくこととしてはどうか,見解を伺いたい。
3.敬老優待乗車制度のあり方について
敬老優待乗車制度は,市民の関心の高さからいって,まだまだ,議論する時間が少なく,新たな制度内容を見ても,市民の負担増が一番高く感じられ,多くの課題が残っているように思われる。そこで伺いたいのは,市民負担の増加に対する行政の考え方についてである。利用者負担に対しては今後の社会構造を考えれば,一定必要とは思われるが,その中でも,事業者負担を25%にとどめることは,わが会派としても容認しがたい。これまでの本会議などの答弁を聞くに,民間事業者の経営状況ばかりを気にし,市民の目線に立った積極的な回答が見られなかった。高齢者の急激な負担増を回避するためにも,ある程度の激変緩和の視点がなければならず,もっと,高齢者に目を向けた事業のスキームを確立すべきと考える。この点に関して,市長の思いを再度確認するうえでも,どのような考えの下に制度設計を行われたのか,見解を伺いたい。
また,今回の改正では,時間的にも拙速感があり十分に議論されてこなかったことをわが会派は主張してきたが,今年の秋に制度改正をすることに対して,神戸市民への周知期間や民間事業者の準備期間がまだまだ不十分と思われる。さらには市民負担の軽減化を図る視点においても,市民の実情を加味して熟慮されたものかといった思いも払拭されていない。本会議での議論,局別審査での市民の生の声を踏まえ,再度どのような考えなのか,見解を伺いたい。
4.救急医療について
1.医師会,2次救急病院協議会,行政の3者の役割分担の再構築についてであるが,例えば,救急医療に対する補助金などの予算を見ると,休日急病電話相談に約1.1億円,2次輪番制には約1.7億円の予算計上がされている。2次輪番制では,年間7万人もの診療をしているのに対し,休日急病電話相談は,電話での対応のみで診療行為もなく,年間8千人程度であり,費用対効果やバランスという点で甚だ疑問を抱く。電話相談を2次輪番制と一体的に行うなど,トータルの予算をいかに使うかといった視点に立って,3者の協議を進めていくことも重要である。3者が一体となって,本気で市民の安全を守るといった決意のもと,システムを再構築すべきではないか。さらには,近隣地域における救急医療体制が次々に崩壊している状況の中では,早急に協議に取り組み,結果に結びつけることが重要と考えるが見解を伺いたい。
2.市民病院群が2次救急,3次救急を担い,市民のみならず,市外からも多くの救急患者を受け入れている一方で,県立子ども病院や兵庫県災害医療センターといった県立病院の救急患者の受け入れは非常に少ない。医師や看護師の数を見ても,もっと県立病院での対応は可能であり,バランスが欠けているのではないか。県市で受け入れ体制についての協議を早急に行うなど県市一体的なシステムを整備すべきではないかと考えるがどうか。
3.救急医療の提供の確保にあたっては,市民病院群,中でも中央市民病院の責務がますます大きくなる。しかし,新中央市民病院の整備にあたっては病床数の減が予定されており,救急受け入れ能力の維持に心配する人もいる。局審査では,予定病床を640床としている新中央市民病院について,環境の変化に対応していくため,柔軟な設計を行うとのことであり,最近の新聞記事においても当局は,今後の状況次第で病床を増やせるようにしておくといった説明をしている。オーバーベッド状態である神戸圏域で病床数の規制がある中,いったん減らした病床を簡単に増やせるとは思えない。昨今の状況を踏まえ,救急医療をはじめ市民の生命と健康を守り抜くため,新中央市民病院の整備を進めるにあたっては,状況によるのではなく,開設当初から病床数の確保をしておく必要があるのではないか。見解を伺いたい。
5.密集市街地の改善について
震災復興の事業が行われた区域は,街並みが整い,防災面でもかなり進んだものとなっているが,市域を見渡すと,まだまだ多くの密集市街地が見受けられる。これらの地域では,家屋の老朽化が著しく,地震時の倒壊の危険性や火事が起きたときに救急車が入れないといった状況であるため,神戸2010ビジョンに掲げる「震災に強い安全都市基盤の構築」を図るうえでも,こういった密集市街地の改善を目指したまちづくりを今後,重点的に進めていくべきではないか。これまでの取り組みとして「密集市街地整備事業」があるものの,これらは地域の総意を受けてから,事業に取りかかるなど,いわば受け身の姿勢であり,行政が本当に街をよくしていこうという思いが伝わってこない。長田区や兵庫区の北部地域など,数多くの地区で,事業着手ができていないのが現状である。
区画整理事業や再開発事業など震災復興事業がかなり進捗しており,今後は,職員がそこで培ったまちづくりのノウハウを十分に活かしながら,密集市街地の整備を積極的に推し進めていくことで,街全体の調和並びに災害に強い安全都市の構築が図られるのではないか。
そこで,市が町のあるべき姿を示したうえで,もっと指導力を発揮し,密集市街地の住環境改善を誘導していくような取り組みを行うべきと考えるが見解を伺いたい。
6.学校教育について
中学校のクラブ活動において,子どもたちがやってみたいという活動には様々な分野があるものの,顧問となる教師の有無などの問題で,十分に対応できていないのが現実である。また,平成18年度に行ったアンケート結果では,保護者が学校教育に望むことの1つに学力の向上があり,より教師の力を学力向上に向けることができるような環境を整えることも,市民の望む学校教育に応えていくことになる。そのためにも,クラブ活動などにおいて,地域人材を積極的に活用し,教師の負担を軽減させることも必要ではないか。
以上のことから,局別審査でも指摘をしたところ,外部指導員制度の活用について「拠点校部活制度での外部指導員の活用等による人的支援を拡充していきたい。」といった回答であった。学力の向上に教師の力を傾注し,子どもが望むクラブ活動の充実を図っていくためにも早急に対応すべきである。具体的な取り組みについて見解を伺いたい。