平成19年第4回定例市会が、11月29日から12月7日までの9日間の日程で開かれました。
11月29日の本会議では、19年度一般会計補正予算案など議案が提案され、12月6日の本会議では、計15議案が可決された後、植中 進議員(北区選出)及び安達和彦議員(須磨区選出)は自由民主党神戸市会議員団を代表して、市長及び関係当局に議案外質問を行いました。
■[議案外質問]要旨 植中 進 議員 (北区選出)
1.医療産業都市構想について
1.医療産業都市構想の目的の1つにアジア諸国の医療技術の向上など、国際社会への貢献がある。そのためにも、「メディカルクラスター」の形成を図っていくべきであるが、ここ数年、医療分野における国間競争が激化してきている。空港へのアクセスの良さなどメリットを活かしながら、神戸の高度医療技術を世界に向けて発信し、世界各国から患者を集めることで、アジア諸国での中枢的な役割を果たし、国際社会への貢献につなげていくべきではないか。
医療産業都市構想の現在の状況を踏まえた上で、今後、どのような方針のもとに取り組みを進めていこうとされているのか伺いたい。
2.地元中小企業を中心とした神戸経済の活性化も構想の目的の1つであるが、地元中小企業による医療機器の開発の成果がなかなか見えてこない。神戸市機械金属工業会において医療用機器開発研究会の組織化が進み、市も医療機器サポートプラザでの開発相談業務などの支援を行なっているが、当初の目的を達するには、まだまだ十分なものになっていない。
地元中小企業による医療機器の開発の進捗状況はどのようになっているのか。また、今後、さらなる支援を行い、開発に関わる環境整備を整えていく必要があると考えるが、見解を伺いたい。
3.神戸2010ビジョンで、200社の医療関連企業の集積を図ることを目標に掲げ、さらに、市長は本当の意味でクラスターと言うには将来的に500社程度の集積を図ることが必要と言われている。
現在、医療関連企業の進出は110社を超え、一定の成果はみえてきているが、将来的な目標である500社には程遠いのが現状である。
空港が近く、スーパーコンピューターも立地されるなど、神戸進出のメリットを最大限にPRしながら、具体的な戦略に基づいて、医療関連企業の誘致を進めていく必要があると考える。達成に向けた今後の戦略について見解を伺いたい。
2.環境施策について
来年5月、G8環境大臣会合が神戸を舞台に開催され、会合のテーマとして、気候変動や生物多様性、3Rなどが取り上げられる。
地球温暖化による気候変動の問題は、全世界が取り組まなければならない喫緊の課題であると認識している。
神戸市でも、これまで、神戸環境マネジメントシステムなどに取り組んできたものの、平成17年度実績では、温室効果ガスの排出量が平成2年度比で5.5%も増加している。 また、ごみの減量化も大きな課題の1つであり、6分別の実施など新たな施策の展開を見せてはいるが、神戸市は、政令指定都市の中で、市民1人あたりの家庭ごみの量が最も多い。環境施策を進めるにあたって、行政が独自で遂行できるものは限られており、市民・事業者の協力のもと一体となって推進し、役割分担のもと各自が真剣に取り組みを進める必要がある。今回の環境大臣会合の開催地として、環境に資する神戸独自の先駆的な取り組みを打ち出し、世界に向けて発信していくことで、市民・事業者の環境に対する意識の高揚につながっていくのではないか。市長の決意を伺いたい。
3.都市づくりについて
都市の今後の方向性を明確に打ち出し、それに向けて、市民・事業者とも一体となりながら、まちづくりを進めることは非常に重要である。神戸市では、これまで「ファッション都市」「アーバンリゾート都市」など都市像や都市づくりの方向性を示す構想をいくつも打ち出してきた。そして、現在「デザイン」を神戸の新たな創造都市戦略に掲げ、中長期的な視点にたって取り組みを進めようとしている。しかしこれまでの構想の中には、例えば、「コンパクトシティ構想」などいつのまにか、立ち消えになっていると感じる構想もある。
都市づくりは、目指すべき都市像に向かって、継続的に進めていくことこそ、肝要であると考える。かつての構想が神戸のまちにどのように活かされ、また、今後どのようにつなげていこうとしているのか、市長の見解を伺いたい。
4.行財政改善について
公の施設の管理運営にあっては、平成16年度から随時指定管理者制度の導入が図られており、平成19年度現時点で545施設にのぼっている。
民間事業者等に運営を委ねることにより、ニーズにあったサービスの拡大や、行政コストの削減、効率的な運営の促進につながるメリットがあるが、なんらかの課題も生じているのではないか。
行政経営方針の名のもと行財政改善に取り組む市長として、これまでの指定管理者制度の導入・民営化といった改革について、メリット・デメリットをどう認識し、今後の改革につなげていこうとお考えか、見解を伺いたい。
5.神戸空港の活性化策等について
今年度当初からの路線再編により旅客数が前年度比較で1割伸び、昨年の国際ビジネスジェットの受入れに引き続き、本年9月には国際チャーター便も実現した。
一方で、発着枠や運用時間、搭乗率が伸び悩んでいる路線の利用促進等、まだまだ課題は多い。
今後、神戸空港が発展していくためには、これらの課題やさらなる需要喚起にどう取り組んでいくのか。
関西3空港の役割分担から、運用時間や便数に一定の制約があることは承知しているが、利用者にとってより利便性の高い空港となるよう、今後も積極的に国等関係機関へ働きかけていくべきと思うが、見解を伺いたい。
6.教育における武道の推進について
先日の中央教育審議会の学習指導要領に関する中間報告において、武道の必修化が盛り込まれた。「礼に始まり、礼に終わる」武道を子どもたちが、授業で学ぶことは、子どもの精神力の涵養にも、大きく貢献するのではないかと考える。現行の学習指導要領では、武道について「柔道」、「剣道」、「相撲」の3つが例示されているが、今後の必修化に伴い、弓道や空手などの履修を希望する声が上がると予想している。
実際、武道に関しては、競技が多様化してきており、子どもたちが様々な武道に取り組むことができるよう、技術面や精神面での指導ができる指導者の確保をはじめとして、環境の整備や機会の拡大を推進すべきであると考えるが、見解を伺いたい。
7.農業振興施策について
我が国の農業は、農業従事者の後継者不足の問題や農村地域全体の高齢化の進展などによって、農業就業人口が減少の一途をたどっているなど農業従事者を取り巻く環境は非常に厳しなっているが、農業の果たすべき役割はますます多方面に広がりを見せている。
市民の食に対する安全・安心の意識は高まりや地産地消が地域経済の活性化につながること、さらには、農村地域一体が持つ豊かな自然環境を守っていくこともますます重要になってきている。
農業用水として用いられるため池の場合、貴重な環境資源の側面や洪水調整機能なども有しているが、一部のため池では崩壊したまま、多額の費用がかかるため、農地所有者が補修を放棄している事例が見受けられる。
昨今の農業・農村地域の有している機能を考慮すれば、なんらかの対策を講じる必要があるのではないか。
そこで、農業従事者が安心して農業生産に取り組める環境整備を進めるとともに、農村地域が有する環境保全などの多面的機能を守っていくことが神戸経済さらには地域環境にとって欠かせないと考えるが、見解を伺いたい。
■[議案外質問]要旨 安達 和彦 議員(須磨区選出)
8.観光交流都市の推進について
平成18年の観光入込客数は、2,920万人であり、神戸2010ビジョンに掲げる目標まであとわずかとなっている。全国的にも名の知れた「北野の異人館」など魅力的なエリアは毎年数多くの観光客が訪れているが、まだまだ多くの資源が観光ルートに乗っていないと思われる。また、元町の「関帝廟」、「モスク」などを「南京町、旧居留地、北野」とあわせた異国情緒ある街としてアピールするといった、面的な打ち出しを定着させることで、神戸観光の多様性が生み出されるのではないか。
神戸には、1ヶ所で長時間滞在できる施設が少ないので、宿泊客を増やし、経済波及効果が大きい滞在型観光を振興していくために、民間事業者を含めて、うまく連携をはかりながら情報発信の充実に取り組んでいくべきではないかと考える。
また、中国や韓国など、東アジアを中心とした外国人観光客が全国的に増えているにもかかわらず、多言語表示の案内板の整備が遅れているのではないか。
効果的な情報発信とともに、観光案内板などを充実することで、市民や観光客が面的な観光を楽しめることとなり、神戸への来訪者が増え、経済の活性化にもつながっていくと考えるが見解を伺いたい。
9.行財政改善について
1.市長は定例会見の中でも「絞って絞りぬいて本当に乾いた雑巾になっている状況である」と言われているが、見直しを優先して実施すべき項目は他にもあるのではないか。行政経営方針で位置づけている事業・施設の見直し等を確実に行った上で、最後に市民に負担を求めるという姿勢に徹する必要があると思うがどうか。
2.報告書の中では、今後の高齢化の進展を踏まえると発行枚数が増加すると指摘されているが、この発行枚数の増加に対応して、約35億円の負担が将来的にどのように変化していくのかについては言及されていない。また、民間バス事業者、市バス事業者などに対して、現行補助金 配分基準が統一されていない点をどう改善するかについても説明されておらず、このような状況で市民への負担増の議論が先行されていることは全く不十分であると考えるが、見解を伺いたい。
3.環境局職員費については、一般会計で経理されていることから、決算関連資料のみでは、支給されている手当や給与水準を引き上げている仕組が読み取れない。ごみ処理や水質保全対策などの経費は判別できるが、職員費がどのくらいあるのかは、明確に示されていない。例えば、企業会計への基準外繰出が内訳の明確化が図られている点を踏まえ、環境費について特別会計化するなどして、国基準以上に支給されている手当を明確化することも1つの方法である。環境局職員費がどのくらい要するのかを何らかの手段で明らかにすることで、環境行政の透明性を高め、説明責任を果たすことが必要であると考えるがどうか。
4.環境局の労務職の給与の水準は、政令市の中でも最も高いと批判を受けている。 環境局職員と建設局職員との給与の水準を比較してみると、手当の見直しが進んでいるとは言え、環境局職員の給与の水準が依然として高く、その原因は、給料の調整額が支給されているとのことである。この調整額は過去に見直しが実施され、制度的には既に廃止されているが、経過措置中の現在においても、この加算される制度を見直してはどうか、見解を伺いたい。
5.市が行っている家庭ごみの収集業務において、ごみの排出量が多い場合、1日に予定以上の回数の収集を行うことで、定車制手当が支払われている。しかし、収集回数が予定を上回ったとしても、その業務はあくまで勤務時間内の業務であり、市民の理解が得られないのではないか。平成16年以降、各種手当を大幅に見直してきたことは評価をするものの、依然、環境局職員の給与の水準は政令市で最も高く、民間事業者と比べても高いものとなっている。これは、このような手当が未だ残っていることが原因の1つにあり、調整額の問題や乗車体制の問題など解決しなければならない課題がたくさん残っている中で、例えば、今後、民間委託を進めるなど、行財政改善を積極的に進め、市民の理解を得ていく必要があると考えるがどうか。
10.学校給食について
1.先の新聞報道によれば、文部科学省は学校給食法を改正し、「給食」の主要目的について、従来の栄養改善から、「食育」に転換する方針を固めたということであった。また、17年度から導入されている栄養教論は、食に関する指導、すなわち食育の推進における中核的な存在であり、給食における地産地消の推進という重要な役割を担っていくべきである。例えば、地元産の食材を用いて、農業における収穫までの苦労や生産地の概要を学ぶなど、「生きた食材」として活用できるのではないかと思うが、学校給食における食育の充実のためにどのような取り組みを行っていくのか伺いたい。
2.学校給食の食材については、財団法人神戸市体育協会が学校長からの委託を受けて調達を行っており、生鮮野菜や米は、神戸産のものを優先していると聞いている。神戸産の野菜の種類は9種類で、地産地消を推進するためには、学校給食で使用する地元産の種類をもっと増やす取り組みが必要であると考えるがどうか。 また、さらに地産地消を推進するために、少量でも地元産の食材を購入出来るようなシステムを構築すべきではないか、見解を伺いたい。
3.学校給食については、多くの学校で自校方式により、市採用の調理師が給食を調理しているが、他の政令市や近隣市においては、自校方式であっても、調理自体は民間業者に委託しているところがある。現在の神戸市の厳しい財政状況を鑑みると、行財政改革の一環として、自校調理の民間委託化や、現在でも北区や垂水区で実施している共同調理場での一括調理などを積極的に導入していくべきであると考えるが、見解を伺いたい。
11.次世代スーパーコンピュータについて
我が会派では、かつて世界一の性能を誇っていた「地球シミュレータ」を視察した。開発当初は世界最速であったが、現在、世界30位程度となっており、 敷地が限られ、拡張の余地もなないということであった。長期的に世界最高性能を維持するためには拡張用地が必ず必要であり、神戸市の場合、最初から南側に 拡張用地を確保しているということであるので評価したい。
またスーパーコンピュータを利用するために神戸を訪れる外国人や内外の研究者のための長期滞在に対応した良質な住宅の整備など研究者やその家族が安心して神戸に滞在できるような環境を整備すべきではないか。スーパーコンピュータのセキュリティを守る ためにも是非必要である。
さらに、今回、神戸に立地するスーパーコンピュータは国内初の汎用スーパーコンピュータということであり、地元企業にも多いに活用の可能性がある 。スーパーコンピュータはそれを使いこなす人材がいてこそ、真価を発揮するものであり、今後、人材育成が最も重要になってくると考えている。
以上のような点を十分配慮して、スーパーコンピュータを神戸の新たな飛躍への起爆剤としていただきたいと考えるが、現在の取り組みと今後の方向性を伺い たい。
12.都市計画決定された未着手街路の整備スケジュールについて
市内の都市計画道路の整備については、都市計画決定されてから事業化するまでにかなりの時間を要しているもの、都市計画決定のみで未だ事業化されていない路線が見受けられ、整備予定道路の住民にとっては、建築制限を受けることになるなど大変大きな問題である 。
これまで当局では、未着手路線の一部見直しなども含め、優先的に整備すべき路線などを市民に提示してはいるが、その取り組みも思うようには進んでいない 。震災復興街路事業がかなり進捗し、全体的に目途がついてきた中で、全体的な街路整備のスケジュールを明確化すべきではないかと考えるが、全く手つかずの所はともかく、途中まで進捗している箇所や、特に要望の強い ところはできるだけ早く着手すべきではないか。