平成19年 第3回定例市会 平成18年度神戸市各会計決算 決算特別委員会 [総括質疑]要旨
平成18年度各会計決算に関して、
松本しゅうじ議員は市長・副市長へ総括質疑を行いました。
■[総括質疑]要旨 松本しゅうじ議員(須磨区選出)
1.港の安全対策について
特に厳しい国内の港間競争において、神戸港の競争力を拡大させるためには、より一層のコンテナ輸送のスピード化を図るとともに、港の安全性を高めることが重要である。
神戸港は他の港に先駆けて、ハーバーハイウェイの通行利用策の拡大により、道路渋滞を緩和し、スピード化に努めるとともに、安全面ではISO28000シリーズやコンテナトレーラーの横転防止実験にも取り組んでいる。
しかし、最近、ハーバーハイウェイでのコンテナ車両の事故が多発し、高羽ランプを起点として交通渋滞も深刻になってきている。
神戸港の港勢拡大を図る上で、港の優位性を発揮し、さらに貨物を集積させるためには、安全輸送が最大の武器である。
他港に貨物が逃げる前に、安全輸送に関して早急に対策を講じ、港湾道路の安全対策に努めるべきと考えるがどうか。
2.救急医療体制について
神戸市の救急医療体制は、市民病院群と私立病院協会の2次輸番制というネットワークから成り、それにより、市民の安全・安心を提供しているが、近年、救急に携わる医師不足などによって、2次救急の当番制を維持するのが困難な状況にある。
さらには、そのために中央市民病院など特定の病院の医師に過重な労働を強いることになっており、「医」の原点である救急医療を将来にわたり維持していくためには、救急に関わる環境の整備をすぐにでも整える必要があると考える。
そのための方策として、救急医療の充実を図るための予算を適切に確保し、時間外診療として救急医療を受けている患者の解消を図るため、患者の重症度選別機能を持った新たな救急拠点の設置を検討すべきと考える。
また、悪質な救急車の利用を排除するための手法についても検討していくべきである。これらを実践していくことで、私立病院も含め、救急需要を受入れ体制に見合ったものとすることができ、安定 的かつ質の高いサービスを確保していくことにつながると考える。
さらに、それが充分に機能することで、医療産業都市構想の中核施設である中央市民病院が本来の高度医療、救急医療を維持することができると考える。
救急医療に対する取り組みについて、市長の見解を伺いたい。
3.敬老優待乗車制度のあり方について
敬老優待乗車制度のあり方について、敬老優待乗車制度検討懇話会が先週終了し、近々報告書が市長に提出されると聞いている。敬老優待乗車制度は、高齢者の社会参加を促進するという観点で非常に 効果が高く、報告書を受けて今後の課題整理を十分に行っていく必要がある。
現在、制度廃止や負担増といった情報が飛び交い市民が不安に駆られているため、まずは市民の方々に現状の説明を行い、不安を取り除くことが重要である。現行制度がどのような仕組みになっており、市民負担がどれだけあるのか、制度を現状のまま存続した場合に、神戸市の財政状況がどのようになるのかということを市民に知らせることに意義がある。
また、先日、兵庫県バス協会から制度の安定維持について検討するよう申し入れもあり、交通事業者の負担増対策も緊急の課題となっている。
そして、このような課題の解決に向けて、市民と十分な議論を交わし、慎重に方向性を決めていかなければならない。まさに、市民・事業者・市が協力して考えていく重要な政策である。
懇話会の報告書を受けるにあたり、今後どのように市民などとの対話を進めていこうとお考えなのか、市長の見解を伺いたい。
4.外郭団体の見直しについて
外郭団体については、震災以降20団体の削減を図るなど見直しを進めているが、まだ47団体が存在しており、さらに見直しを進めていく必要があると考える。
各団体には、それぞれ設立当初の目的や役割があったが、時間の経過とともに社会経済情勢や市民ニーズの変化など団体を取り巻く環境は大きく変化してきている。
そのような中で設立当初の目的を果たし、民間事業者が安定的・継続的にサービスを提供できる場合などは積極的に民間事業者に委ねていくべきである。
このような観点から、阪急・阪神の経営統合という状況の中で、山陽・神鉄を含め4つの私鉄が広い意味で1つのグループとなり、高速鉄道の運営を委ねる環境が整ってきている。
高速鉄道の運営を私鉄グループに委ねる方向で関係者と協議を進めていくべきであると考えるが、市長の見解を伺いたい。
5.市立高校改革について
局別審査において、我が会派から「英語教育の充実の重要性及びその推進にあたっての方針」についての質疑を行い、小学校などの取り組みの状況の説明を受けたが、「英語を活かせる国際都市神戸」という 視点から、特に今後の市立高校改革において、英語教育の推進を図っていくべきと考える。
現在、多くの進学校と呼ばれる高校での英語教育は、受験英語の指導が中心であり、外国人と会話するためのヒアリングやスピーキング能力の伸長が軽視された知識偏重型の悪しき受験教育の典型といえる部分がある。
市立高校の英語教育において、「実践的な英語」を駆使する生徒を育成出来れば、企業への就職に有利であり、大学進学にあたっても、高い評価を受けるのではないか。神戸市には神戸市外国語大学もあり、地元の高校生に対して門戸を開放することも可能である。
国際都市神戸の特色である教育を推進するため、実践的な英語の体得を目標とした、生徒の国際性を高める教育を根幹に据えるという視点に立って、 高校改革を進めていくことが重要と考えるがどうか、見解を伺いたい。
6.路上喫煙禁止条例について
市長は8月の定例記者会見で、来年5月開催予定のG8環境大臣会合を契機にした取り組みの一つとして、過料徴収も視野に入れた「路上喫煙禁止」に関する条例化を進めたいと発言され、先日の局別審査では、今後パブリックコメントを実施し、来年2月から3月の市会に条例案を提案したいとのことであった。大阪市や京都市など先行的に実施しているところでは、過料徴収や喫煙場所の設定など様々な問題が生じているが、安全で美しいまちづくりを推進していくためにも、実効性があり、市民にわかりやすく、周知徹底が図りやすい条例内容にしていかなければならない。「歩きたばこ」は、子どもたちを火傷させるなど、危険な行為であり、これは路上に限られた話ではない。そこで、条例制定に当たっては、「歩きたばこ」を全市域で禁止する内容にできないか見解を伺いたい。
た、過料徴収についてはエリアを設定することになると思うが、現行のポイ捨て防止重点区域 19 箇所にかかわらず検討してもらいたい。例えば、地下鉄の妙法寺駅や名谷駅周辺は人通りが多いが現行の重点区域には指定されていない。エリアの設定については、現在、白地となっていく区域も含めて、検討することができないのか見解を伺いたい。
7.須磨海浜公園駅を活かしたまちづくりについて
来春、須磨区にJRの新駅が誕生するが、このことは地域の通勤・通学等の利便性が高まるといった効果のみならず、周辺の観光、商業、住宅供給など多方面にわたる経済効果が期待できる。
現在、神戸市では、駅の開業に合わせて、駅前広場やアクセス道路の整備、須磨海浜水族園に至る道路の改良、案内マップの作成などに取り組んでいるが、経済効果も考慮しながら、より一層、駅を活かしたまちづくりを進めていく必要がある。地元では、「若宮まちづくり準備会」が発足し、まちづくりの活動が始まっているが、市としても、これを積極的に支援するとともに、駐輪場の整備や市バス路線の整備、さらには、観光拠点として新駅を活かすために関係機関との調整を行うなどまちの活性化に繋げていくようなまちづくりを進めていくべきと考えるがどうか。
8.須磨海岸の条例制定について
先の本会議で、我が会派が須磨海岸の花火・不正侵入車両に対する規制を定めた条例の整備を求めたところ、検討する時期にきたのではないかという答弁をいただいた。
夏の夜間、花火の音や大声で騒ぐ若者の声は周辺住民にとって、非常に迷惑であり、また、不正侵入車両は、海水浴利用者にとって大変危険であるため、早期に条例の実現を図っていただきたい。しかし、忘れてはならないのは、1年を通して、朝夕に散歩・ジョギングをする地域の方々、沿岸漁業やのり養殖などに携わる漁業関係者など多くの市民が須磨海岸を生活の舞台としていることである。
それに加え、JRの新駅が来年春に開設される予定であり、今後、新たな神戸の観光戦略も検討していくエリアとなるのではないかと考える。それにより、さらに多くの観光客が、この須磨海岸に訪れることも忘れてはならない。
今回の条例制定にあたって、規制の期間を夏に限定し、花火や不正侵入車両を単に制限するものではなく、市民の生活環境を維持し、美しい海岸を後世に残すことを大前提に掲げた包括的な条例にすべきと考えるが、見解を伺いたい。