平成19年第3回定例市会が、9月20日から10月26日までの37日間の日程で開かれ、平成18年度神戸市各会計決算が審議されました。
自由民主党神戸市会議員団を代表して、守屋隆司議員及びむらの誠一議員は9月27日の本会議において、市長および副市長に質疑を行ないました。
■[代表質問]要旨 守屋 隆司 議員(兵庫区選出)
1.行財政改善の更なる取り組みについて
現在、兵庫県において、大幅な歳出削減を伴う抜本的な行革に着手するための議論が進められている。
このメニューの中には、県下市町と共同で実施している事業も含まれており、見直し内容によっては、本市における市民サービスの提供に多大な影響を及ぼすことも懸念される。
我々も県会議員への働きかけを強力に行っているが、当局としても、県に対して神戸市単独での要望活動に加え、他市町とも連携・協力するなどの形での対応が必要であると考える。
市長の見解を伺いたい。
2.医療産業都市構想について
ポートアイランドへの医療関連企業の進出は、現在110社となっており、今後、これらが本来の意味でのクラスターになるためには、各企業や関係機関が相互に連携し、研究開発の成果を結びつけ、一体となって新たな産業へと発展していけるような目に見える産業化を目指していくべきである。企業の集積を行い、次にどのようなステップに向かおうとしているのか、市長の見解を伺いたい。
3.行政サービスの向上について
神戸市における指定管理者制度の導入状況は、平成16年度から平成19年度にかけて、累計 545 施設で導入しており、その内訳は、外郭団体及び外郭団体を含む共同事業体で 208 施設、一方、株式会社は 41 施設となっている。
外郭団体の受託が多いのは公募により民間事業者との競争に勝った結果であるが、民間の能力を活用することにより、住民ニーズに機動的に対応するとした本来の趣旨から少し離れた結果となっている。制度創設時の趣旨からすれば、「民間でできるものは外郭団体で行わない」という考え方を基本にして、一層の民間参入を促進することが、住民の多様なニーズに対応し、良質で安価なサービス提供を可能にしていくことにつながると考えるが、見解を伺いたい。
4.環境事業について
これまで、民間活力の導入については、指定管理者制度以外にも、市バス営業所の管理委託や水道料金の検針業務に競争性を導入するなどの取り組みを行っており、ごみの収集業務においても昭和30年代より「傭車制度」を導入し、民間事業者の協力のもと、行政サービスを提供してきた。今後、更なる行財政改善を推し進めるためには、例えば、モデル事業として環境事業所ごとの民間委託の可否について検討し、それに併せて3人乗車から2人乗車体制へ変更するなど、民間の活力を活かす取り組みについての検討を行うべきと考えるが、見解を伺いたい。
また、民間活力を導入するにあたっては、広く門戸を開く必要性があり、平成19年度から「傭車制度」に競争性を導入したように、事業系一般廃棄物の収集運搬許可などについても、より民間活力を発揮できるような検討も行っていくべきと考えるがどうか。
5.事業系一般廃棄物について
本年4月1日に事業系一般廃棄物の排出に関して指定袋制度が導入され、ごみの減量化という意味では大きな成果があったと考える。
しかし、制度変更の周知が不十分であったという意見や、本来、下がるはずであった排出事業者が許可業者に支払うごみの運搬料が下がっていないなどという声もあがっており、契約自由の原則にしばられ、許可業者への指導が足りなかったのではないかと推測されます。
制度変更から半年が経過したが、事業系指定袋制度の導入後の実態についてどのように評価し、問題点についてどのような対策を講じようとしているのか、見解を伺いたい。
6.生活保護不正受給対策について
生活保護は不可欠な公的扶助制度である一方、働けるのに偽って受給しているといった話がよく聞かれ、制度運用に関し、市民の見方が非常に厳しくなっている。
本市では、申告義務の徹底、現地での実態把握に基づく保護要件の確認、課税・年金調査などを実施し、悪質なケースには保護の廃止や刑事告発を行うなどの対応が取られているが、市民の理解を得るためには、不正受給防止のための更なる取り組みが必要であると考えるが、見解を伺いたい。
7.敬老優待乗車制度について
現在、「敬老優待乗車制度検討懇話会」において、制度のあり方が検討されており、今後、更に高齢化が進むことから、制度存続のためには、利用者負担もやむを得ないとの方向で議論が進んでいる。
しかし、現行の無料乗車制度が高齢者の外出や社会参加に大きく寄与している。
参議院選挙後、小泉改革の負の部分、高齢者への痛み解消のため、自民党では、高齢者層への過剰な負担解消に向けた取り組みを検討中 とされるなか、新政権発足により具体的な施策の見直しが行われようとしている。地方においても、この考え方と歩調を合わせながら、慎重に検討していくべきである。これまでにもまして、行財政改善を進めることにより、財源を生み出すとともに、今後、懇話会の答申ありきではなく、敬老パスの制度について充分時間をかけて検討していくべきと考えるが市長のご見解を伺いたい。
8.保育所待機児童解消の取り組みについて
少子化対策の一環として、保育所待機児童の解消のため保育所の新設、既存保育所の定員拡大や幼稚園の活用など様々な手法を活用して受入れ枠の拡大を図ってきたが、現在、市内の待機児童数は 489人となっており、依然として他都市に比べ高い水準にある。
また、現在、待機児童解消策として、保育所の新設を中心に進めているが、待機の多い地域では、用地確保の問題からいずれ行き詰ってしまうのではないかと考える。
そこで、現行の国の基準では、各保育所の定員枠より多くの児童を受入れることが可能であり、運用面の工夫によりある程度の待機児童の解消が図れるのではないかと考える。
超過受け入れの可能人数枠を民間保育所では、60%弱使っているが、公立保育所では 20%強にとどまり、更に東灘区ですら公立保育所での定員割れが出ている。
これらの点を踏まえ、待機児童解消に向けた方策について、市長の見解を伺いたい。
9.親学の推進、学校評価制度の導入の必要性について
教育の根幹は学校教育と家庭教育である。
60年ぶりに教育基本法が改正され、特に家庭教育の条項には、「保護者は、子の教育に第一義的責任を有する」と明記されている。
給食費を払えるのに払わない倫理観の欠如した親が見受けられる今、子育てや家族の大切さについて学ぶ「親学」を推進していく必要があるのではないでしょうか。
また、学力、道徳心を向上させるために、学校評価と情報公開を目的とする学校評価制度の導入を求める意見が国に寄せられているが、これらの点についての見解を伺いたい。
■[代表質問]要旨 むらの 誠一 議員(須磨区選出)
発言内容詳細はこちらをクリックしてください
10.ウォーターフロントの整備について
本年は、神戸港が開港して140年目という節目の年であり、港にまつわる様々な関連イベントが市内各所で開催されている。
現在、スーパー中枢港湾の指定を受けたポートアイランドなどが港湾物流拠点の中心となって、みなとの機能向上の取組みが進められている。
一方、ハーバーランドなどのエリアは、市民にとって親水性・回遊性を持ち備えた都心ウォーターフロントとして整備することが「みなと-神戸いきいきプラン」の中で示されている。
平成18年度には、新港第一突堤やかもめりあ東用地の再開発など、新しい神戸の名所が誕生し、この秋には都心地域でのEST実現に向けた実証実験が予定されていることに加え、京橋交差点まちかど広場の整備などが行われる。
しかし、これらの再開発にあたっては、各局が個別に計画、実施しており、全体像が見えてこない。
個別に整備したものを張り付け、つなぎあわせて、ウォーターフロントとするのではなく、まず、企画調整局などが中心となって、グランドデザインを示し、それにそって、各局が事業を進めていくべきと考えるが、市長の見解を伺いたい。
11.外郭団体の見直しについて
本市の外郭団体は、ピーク時の平成7年には64の団体があったが、統廃合され現在47の団体が存続している。しかし、この中にも、多数、存在意義自体に疑問を持たざるを得ない団体があり、抜本的に外郭団体を見直すべきと考える。以下、問題点を指摘する。
1点目は財政負担の問題である。行政経営方針を打ち出し、行財政改善に取り組んでいる状況の中で、平成18年度決算においても、外郭団体に対し、約73億円の補助を行い、約928億円にものぼる貸付を行っている。
2点目に、指定管理者制度を導入した545施設のうち208施設で外郭団体が指定管理者となっているが、指定管理者となるために外郭団体が発足したわけではなく、市行政の補完を行うという本来の役割に立ち戻るべきである。
3点目に、依然として外郭団体の代表者に多くの市OBが再就職しており、職員の再就職先の確保のために外郭団体が存在していると市民に誤解を招きかねない。
最後に、47の外郭団体を抱える神戸市は、政令指定都市の平均の団体数を大幅に上回っている。
このような問題を踏まえ、市民の目線から、本当に必要な団体かどうかを見極め、選択と集中によって思い切った統廃合を断行すべきと考えるが、見解を伺いたい。
12.職員給与の見直しについて
平成19年7月に地方公共団体の技能労務職員等の給与月額について総務省を調査しており、民間企業の同職種と給与月額の比較をしている。
例えば、清掃職の場合、本市職員が約52万円であるのに対し、民間では約30万円、学校給食員では、本市職員が約39万円であるのに対し、民間では約26万円、バス事業運転手は本市職員が51万円であるのに対し、民間では35万円となっており、民間の約5割から7割増 しとなっている。
そもそも、技能労務職員の給与は団体交渉により決められており、どのような交渉を経て金額が決められたのか、市民感覚からすると甚だ疑問に感じる。
他の政令市に比べても大変高い水準で、地方財政の財政逼迫の原因の1つにこの技能労務職員の人件費が上げられる。単純 に差額を職員の数にかけると約110億円となる。
仮に給与水準が民間並みになると約110億円の算出削減効果があるが、この官民較差についてどのように考えているのか、見解を伺いたい。
13.バス路線のあり方について
現在のバス路線はあくまで、バスが走行可能な道路を前提に設定したものであり、本当に市民が求めるバスのルートとは言えない。
また、神戸というまちは、坂道が多く、バスは、特に地域のお年寄りにとっては唯一といってもいい身近な移動手段である。
今後、ますます高齢化が進むにあたりこれまで以上の極め細やかな対応が求められる。
既にある道路を基準として路線ルートを検討するのではなく、その地域にとってあるべき路線、鉄道敷設時に必要ならばトンネルを掘るように、時には道路を拡幅し、障害物を取り除いてでも、、最適でかつ効率的なバス路線を確立すべきと考えるが、見解を伺いたい。
14.文化財の保護について
神戸市内には、旧外国人居留地や北野異人館街をはじめ、乾邸などの洋館、北区の古民家など、市域全体にわたって歴史的価値のある多くの文化財が点在している。
貴重な市民の財産である文化財の保存と活用を図るため、国や地方公共団体はその指定や登録を行っているが、維持補修や管理の問題で、所有者、特に民間の方にとっては、大きな負担を強いられている。
税の減免や補助など一部、制度化されてはいるが、現行制度で十分ではなく、より極め細やかな対応を行っていくことが必要である。
市内のより多くの文化財を後世に残していくことが、今生きている我々の責務であると考えるが見解を伺いたい。
15.須磨海岸について
須磨海岸は、阪神間で唯一の自然海岸として貴重な海岸であり、海水浴場としても多くの市民に親しまれており、観光交流都市を掲げる神戸市として、これを守り育て、利用者の安全に努めることは当然のことと考える。
しかし、近年、違法駐車、ごみ、花火の問題など無秩序な状態となっており、特に深刻な問題は、サンドバギーの乗り入れである。
周辺の迷惑も顧みず、我がもの顔で砂浜を走行し、非常に危険な状態である。
神戸市も管理者として再三にわたり注意・指導をしているが、全く改善されていない。
転落事故や海水浴客を巻き込んでの人身事故など事件が起こる前にしっかりと対応する必要があるが、現在は警察当局も根拠となる条例や法規がないため、取り締まることができない状態である。
そこで、須磨海岸の秩序を守り、全ての利用者が安全に快適に過ごせる海水浴場としてバギーをはじめとする危険行為を警察が取り締まれるような規制をすべきではないでしょうか。